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福田事務次官に関する報道に係る調査について [感想]

財務省から


が出てきた。


被害にあったとする記者が出てくるかどうかだけで、すぐ勝負が付いてしまうネタへの逆襲なわけだから、勝算ありと踏んでいるのだろう。


新潮社、大丈夫だろうか。





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財務省「決裁文書についての調査の結果」 [速報]

森友問題で、財務省が昨日(12日)に国会に提出した報告書は、


であるようです。



http://www5.sdp.or.jp/vision/vision.htm は、社民党のホームページの理念のページに飛びますから、PDFファイルは社民党がアップしたようです。

  

報告書を なかなか見つけることが出来ませんでしたが、「韓流研究室」というサイトに引用されていたので見つけることができました。

  

報告書をちゃんと読む人など ほとんどいないことをいいことに、やりたい放題してていいの。

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法人設立時の定款の認証 [感想]

昨年(2017年)6月9日閣議決定の「日本投資戦略2017」(29頁)では、法人設立手続に関し、

法人設立時に利用者がオンライン・ワンストップで処理できるよう、民間クラウドサービスの活用も視野に、定款認証の面前確認や印鑑届出、外部連携API等の在り方を含め、あらゆる観点から官民一体で検討し本年度中に結論を得る。

とされ、それを受けて「法人設立手続オンライン・ワンストップ研究会」という名前の研究会が、昨年(2017年)9月から内閣官房日本経済再生総合事務局において開催されています(第1回検討資料1「法人設立手続オンライン・ワンストップ研究会の開催について」参照、開催日程等はこちら)。


その研究会では、商業登記事務を所管する法務省が規制官庁という位置付けとなっています。

法務省(民事局)は、印鑑届出の提出義務の廃止(第7回の資料3「『法人設立における印鑑届出の義務の廃止』の実現にむけて」)、オンラインで設立登記を24時間以内で処理するよう取組むとし、早々に譲歩をしたようですが、

定款認証に関しては 一歩も譲らず、公証人による定款認証など不要とする、内閣官房(日本経済再生総合事務局)と、は平行線の状態にあるようでした(第6回の日本経済再生総合事務局作成の資料3「定款認証の在り方を含めた合理化(見直し案について)」(下では同資料2頁、4頁、5頁を引用)。


定款認証の在り方を含めた合理化に係る見直し案.jpg



4頁.png



5頁.png




 どう贔屓目にみても、理は 日本経済再生総合事務局 の方にあるように思えました。

研究会で、どのようなやり取りをしているのかを知りたくて、議事要旨の公表を心待ちにしているのですが、平成29年11月28日開催の第4回研究会の議事録は、3ヶ月半を経過した今現在、まだ公表されていません。


公表されるのは「議事要旨」であって、議事録ではありません。要約が載るだけです。

よほど激しいやりとりがされていて、発言者が議事要旨における 発言内容の要約のニュアンスが発言内容とは違っていると しつこく言っていて、議事要旨(案)を肯んじないため、公表が遅れているのでしょう、きっと。

こういうことは、昨年のモリカケ問題の際にも問題となったことでした。議事要旨ではなく、録音反訳にして、誰が、何を言ったのか、逐語の議事録が残るよう改善すべきでしょう。

   


そんなことを思っていたところ、先月28日、

法務省は27日、有識者研究会のとりまとめを公表した。パブリックコメント(意見公募)を経て省令を改正し、年内に施行する。株式会社の設立に必要な公証人による定款認証の手続きで、会社の実質的支配者が反社会的勢力に属していないことを申告させる。

という内容の報道に接しました(日本経済新聞電子版2018年2月28日「暴力団の会社設立禁止  法務省方針 「名義貸し」見極め課題」)。

記事に出てくる研究会とは、今年1月から法務省で3回開催された「株式会社の不正使用防止のための公証人の活用に関する研究会」のことで、5人の有識者が議論をとりまとめたということことのようである。

議事録はないようです。やっつけも甚だしいです。


公証人の定款認証は、持分会社(合同、合資、合同会社)を除いた、株式会社、一般社団法人、一般財団法人、税吏司法新、司法書士法人、行政書士法人、土地家屋調査士法人、社会保険労務士法人、弁護士法人、監査法人、特許業務方新、特定目的会社、相互会社、金融商品会員制法人、信用金庫、信用中央金庫、信用金庫連合会の設立登記の際に必要となります(日本公証人連合会「7-4 定款認証」)  。

その数ですが、平成28年の株式会社の設立登記の件数は 90,405件 です(総務省統計局e-Stat「登記統計2016年」)。

定款の認証の手数料は、公証人手数料令35条で5万円なので、株式会社の定款認証の分で 45億2千万円の手数料が公証人の売上になっていることになります(50,000円×90,405件 =4,520,250,000円)。

   

改正民法では、保証人の意思を公証人が意思確認することになっているため、国会(衆・参とも)の法務委員会では公証人制度に関心が集まっており、結構、議論がされているようです(国会会議録検索システムに「公証人」と入力して検索してみてください。)。公証役場ごとの収支を明らかにさせるようにさせよなどと議員に言われていたりします。

   

法務省のホームページでは「公証制度について」において、公証人について、

公証人は, 職務の執行につき, 嘱託人又は請求をする者より, 手数料、送達に要する料金, 登記手数料, 日当及び旅費を受けることとされており, その額は, 公証人手数料令の定めるところによっています。公証人は, これ以外の報酬は, 名目の如何を問わず, 受け取ってはならないとされています。このように, 公証人は 国から給与や補助金など一切の金銭的給付を受けず, 国が定めた手数料収入によって事務を運営しており, 弁護士, 司法書士,  税理士などと同様に独立の事業者であることから, 手数料制の公務員とも言われています。

と説明をしています。


定款認証を取り上げられると、今までどおりでは制度を運営することができなくなるので、秘策を繰り出したようにも思えます。とても興味深い話題ではないかと思います。


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株式会社(休眠会社)のみなし解散登記 [検討]

来年(2019年)予定の会社法の改正により、民事法務協会の登記情報提供サービスでは、株式会社の代表取締役の住所がなくなることになってしまうようです(法制審議会 会社法制(企業統治等関係)部会第10回会議(平成30年2月14日開催)で取りまとめられた「会社法制(企業統治等関係)の見直しに関する中間試案」20、21頁、「会社法制(企業統治等関係)の見直しに関する中間試案の補足説明」70、71頁)。

登記所における登記事項証明書の交付請求時も一緒で、もし、株式会社の代表取締役の住所を登記事項証明書に記載してもらいたいのであれば、(登記の附属書類の閲覧の場合と同じように)利害関係を疎明しなさいということになるようです。


登記に記載された代表者の住所に訴状を送達してもらう訴訟を少なからず提起しているので、そんな改正は困ってしまいます。

平成29年4月26日に開催された部会の第1回会議時に、民間委員から、経団連の要望として、部会で検討すべき論点として提案され(「会社法制部会資料1の他に検討すべき論点について」、第8回会議議事録2頁)、それが個人情報の保護(代表者のプライバシーの保護)として結実することとなったようです。


「家を知られて押しかけられたら困る」という気持ちは理解できないではありません。

しかし、企業実態など全くない、法人格を道具として悪用するジャンクが 多く混在するのが、日本の株式会社の登記の実態であるとしたらどうでしょう。私はそうした認識をしています。株式会社の代表者の氏名しか登記しないで済むのであれば、悪用しようとするものにとっては余分な情報を開示させられず、好都合なことになりはしないか、悪い奴を利する利敵行為になるのではないかと思ってしまいます。



日本における株式会社の登記の実態はどういうことになっているのでしょう。ジャンクはどれだけ混入しているのでしょう。

法務省は、平成14年(2002年)を最後に11年間実施していなかった、休眠会社の解散整理を平成26年(2014年)に再開し、それ以降、平成27年(2015年)、平成28年(2016年)、平成29年(2017年)と毎年、行っています(法務省HP「休眠会社・休眠一般法人の整理作業の実施について」)。

株式会社の解散整理の状況は、株式会社登記の実態を知る上での一つの参考資料になるはです。ですが、法務省は休眠会社の解散整理をしたとのアナウンスをしていますが、みなし解散決議をほした法人は何件なのかその結果をホームページ上で公表していません。


共同通信が平成26年(2014年)12月と同27年(2015年)1月に配信した2本の記事が、日経新聞のホームページ上で閲覧できます。

1本は、平成26年(2014年)12月24日付の「休眠会社、毎年整理へ  法務省、犯罪の悪用防止」という記事。要約すると、

・法務省はこれまで5~12年おきだった職権による「みなし解散」を来年度以降は毎年実施する方針を固めた。

・法務省は1974年~2002年、一部の例外を除きおおむね5年に1回、みなし解散の手続きを取った。

・休眠会社の定義が「最後の登記から5年経過」から「12年経過」に変更されたため、上川陽子(当時かつ現在)法相は平成26年(2014年)11月、12年ぶりに公告、法務局は 対象の約8万8千社に通知した。

・ 02年には 約 11万社の休眠会社を確認し、うち8万社がみなし解散となった。

というもの。

もう1本は、「みなし解散」登記後の平成27年(2015年)2月21日付の「休眠7万社、法務省が職権で解散  02年依頼」という記事。

・法務省は平成27年(2015年)1月、休眠会社約7万8千社を「みなし解散」させた。

・前回2002年12月のみなし解散より 約4500社少なかった。(2002年12月は約8万2500社を「みなし解散」させた。

・法務省は昨年(2014年)11月に、登記されている株式会社176万9千社のうち約8万6千社を休眠状態と判断し、官報に公告。

というものでした。


新聞雑誌記事横断検索で「法務省」「みなし解散」「休眠会社」で検索してみたのですが、共同通信の2本の共同通信の記事と読売新聞の平成27年(2015年)1月17日の「休眠企業約8万8000社 法務省  届け出なければ解散」という記事ぐらいしか見当たりません。


いろいろ考えあぐね、法務省の登記統計「商業・法人」の2015年分2016年分に「みなし解散」の統計があるのを見つけました。

各年度の「16-00-34  法務局おらび地方法務局管内別、種類別 株式会社の登記件数」の右端の行が「休眠会社の解散」で、総件数と都道府県別の件数が載っています。

そこには、

平成27年(2015年)   94,961件

平成28年(2016年)   16,223年

と、年ごとの「みなし解散」の登記の件数がなっています。休眠登記件数.xlsx

   

共同通信の記事は、

法務省は 平成27年(2015年)1月に 休眠会社 約7万8千社をみなし解散させた、

法務省は 平成26年(2014年)11月 対象の 約8万8千社に通知した、

というもので、新聞の内容と登記の件数が全く合いません。


「みなし解散」登記の件数より、新聞の件数が 2割弱 少ないことになっています。共同通信の記者がミスをしたのか、役所が誤った内容をリークしたのかですが、統計として後日明らかになるようなことを言うわけないので、記者の取材不足ということなのでしょうか。

  

平成28年(2016年)の「みなし解散」登記は 16,223件ということですが、対象は登記情報が12年以上更新されていない会社がそれだけあるということです。

全体のどれだけが、「みなし解散」を受けていると考えればよいのか。

考えてもよい考えが浮かばないので、株式会社が毎年何社、設立されているのか、株式会社の設立登記の件数を調べてみて、「みなし解散」登記の件数を比べてみることにしてみました。設立登記の件数は、2006年の登記統計を使えるので、平成9年(1997年)から平成28年(2016年)までの件数が分かります。 「みなし解散」登記の方は、平成27年(2015年)と平成28年(2016年)は登記統計からはっきりしているのですが、平成15年(2003年)の分は、共同の記事しか手にできる情報がありません。8万2500件ということにしてみました。


作表した結果は下のとおりとなりました。データは設立登記とみなし解散件数.xlsx


設立登記とみなし解散件数.jpg


平成18年(2006年)の新会社法の施行より、2万件程度だった株式会社の設立が、年間 8万件超 に急増していることがよく分かります。

また、平成27年(2015年)の「みなし解散」登記は、12年以上登記情報の更新がない株式会社を対象にしていたわけで、平成15年以前に設立された株式会社を対象としたものであること、

平成28年(2016年)の「みなし解散」も同じで、平成16年以前に設立された株式会社を対象としたものであったことが分かります。


平成18年以降に設立された株式会社(8万社×12年(平成18年から平成29年の12年間)=96万社)は、「みなし解散」登記の対象ではないことも理解できます。


平成9年(1997年)から平成17年(2005年)までは株式会社の設立は年間2万社であったわけで、平成28年(2016年)の「みなし解散」登記の件数16,233件は 年間に設立される株式会社の約8割の割合になる。8割が休眠だと言えそうだが、その考えが正しいのであれば、株式会社の相当数がジャンクと言えそうです。


どのように考えたらよいのか。

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法人は何社あるという理解が正しいのか [検討]

 国税庁は、誰でも法人番号を調べることできるように「法人番号公表サイト」を開設しています。この法人番号公表サイトを利用して、法人都道府県ごとの株式会社、有限会社、合名・合資・合同会社、その他別の法人を調べることが簡単にできることに気付きました。


下のグラフは、法人番号公表サイトを使い、昨日(平成30年2月16日)現在での、都道府県別に、株式、有限、合名・合資・合同、その他の法人の法人数とそれら法人の合計数を整理し作表したものです。


さすが、東京だけで全体の2割の法人があります。


法人番号公表サイト都道府県別会社数.jpg


都道府県別会社数.xlsx


全国では、株式会社 2,032,435社、有限会社 1,615,874社、合名・合資・合同会社 256,442社、その他(医療法人など) 478,389社という結果で、それらの合計は 4,383,140社 ということになりました。そんな数の、登記が閉鎖されていない現存する法人が存在していることになります。


ところで、国税庁は法人税の申告状況を公表しています。下図は、直近である「平成28年度における法人税等の申告事績」の報道資料である平成28事務年度 法人税等の申告(課税)事績の概要」4頁の一部を引用したものですが、そこでは、昨年(平成29年)6月30日現在で、


法人数が 307万9千法人があり、うち 286万1千法人が法人税申告をしている


という趣旨のことが書かれています。


国税庁 法人数.png


 



法人番号が付与されている 株式、有限、合名合資合同会社は438万社でした。なのに、法人税等の申告事績の方では 法人数が 307万9千法人になっています。


どういうことなのでしょう。法人として存在している以上は、法人税の申告義務は免れることなどできないはずではないかと考えられます(国税庁「法人税地方法人税の申告」、法人税法地方法人税法 参照)。なのに、法人数が307万法人しかないというのは合点がいかない話です。税務署(国税庁)は、法人番号が付いている法人のうちの約3分の1にあたる130万社は、登記はあるものの、企業活動はしておらず、実体がないため、存在自体を否定し、(そんなことが許されるとは思えないが、)統計上も無視しているとしか考えられません。 


法人番号が付いた法人数438万社と、法人税の申告法人の数(307万9千法人)の二者の数がなぜ相違しているのかというだけでも混乱しているわけですが、これに中小企業庁が公表している企業数を加えて考えると訳が分からないことになってしまいます。


中小企業庁が、2年前の平成28年1月29日に公表している、2014年(平成26年)における企業数は、


中小企業   380万9000社

大企業      1万1110社

    合計 382万0000社

というものでした(「中小企業・小規模事業者の数等(2014年7月時点)の集計結果を公表します」)。

全体の382万社は、法人と個人事業主の合計になるわけですが、382万社のうち法人が何社で、個人事業主が何社なのかは調べてみてもよくわかりませんでした。

中小企業庁が平成25年9月に作成している「小規模事業者の現状と課題について」3頁に、2009年(平成21年)時のデータとして、

〇 中小企業の個人事業者は243万者(58%)、会社は178万社(42%)。 

との記述が、また、平成26年4月に作成している「個人事業主を巡る状況と事業承継に係る課題について」の3頁にも、個人事業主が2009年(平成21年)時に、2,425,953人 であったことを記したグラフが掲載されています。

個人事業主は、おおよそ5割程度だとすると、2014年(平成26年)の企業数382万社の内訳は、

個人事業主  191万社

法人     191万社 

ということになりそうですが、法人の191万社という数字は、法人番号が付されている法人438万社の半分にも満たないですし、国税庁が法人税の申告法人数としている307万9千法人よりも大幅に少ない数です。

税務申告をしている法人が 286万1千法人あることは間違いないようですので、それより少ない数字を示している中小企業庁の法人企業数は全く当てにならないものとして、無視すべきものだという理解でよいのでしょう。


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特商法改正と迷惑FAX [感想]

FAXを使った通信販売の広告規制が、昨年(2017年)12月1日から始まりました(消費者庁HP「平成28年特定商取引法の改正について」参照)。

FAXの広告規制が始まってから2ヶ月が経ちました、私の事務所に来たFAX広告はこの間、1件だけでした。規制の効果が出ているようです。 


今回の特商法の FAX規制 は、迷惑FAX対策の決定版になるのではないかと一瞬、期待しましたが、実は、

一般消費者への 通信販売を目的とするFAX広告を規制している 

だけです。事業者には法律の適用がありません。


「 事業用にお使いいただけると考え、商品(サービス)のお薦めをFAXでさせていただいております」などと言い訳されてしまえば、おしまいです。


(下図は電気通信サービス向上推進協議会安心ファクシミリ推進ワーキンググループ編「2017年12月施行特定商取引法におけるファクシミリオプトイン規制のポイント」3頁から引用したもの。同ポイントで引用されている「特定商取引法に関する法律の施行について」26条について「特定商取引法に関する法律の施行について」の解説参照。)

除外.jpg


事務所に届いた 一件のFAXは、

集客でお悩みの弁護士様

と題し、インターネットを活用したネット集客を勧誘する会社のものでした。

「勇気のある会社だなぁ」と感心したので、会社のホームページを見てみたところ、複数の顧問弁護士の名前が掲載されていました。


この会社も今は、「セーフ」というリーガルオピニオンを貰ってはいても、「本当に大丈夫なのだろうか」と恐る恐るFAXを送信してきているのでしょうが、「大丈夫だった」との情報は当然のこと、速攻で伝播していくことでしょう。そのうち 迷惑FAXは 元と同じになってしまうのでしょう。

   


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アパマンローンとサブリース契約 [感想]

相も変わらず、建築業者が、土地持ちの小金持ちに「お金を借りて、アバートやマンションを建てれば 相続税対策になります。ローン返済は、当社の関連会社で一括借り上げし、家賃保証をさせてもらいますのでローン返済に困ることはありません。」と持ち掛け、その建設業者と親密な関係の、銀行や信金でローンを組ませることが盛んに行われているようです。

サブリース」と呼ばれているやつのことです。銀行などから借入れなしで、アパートやマンションを自己資金だけで建てれることができるお大尽は あまりいません。なので、「サブリース」と言った場合には、語義どおりの「一括借り上げ」ということに加えて、「金融機関からの借入れを加えた建物を建築(し、それを一括借り上げ)する」ことを含んだものとして理解されています。


金融庁は、昨年10月に公表した平成28事務年度金融レポート において、この「サブリース」について触れていました。

正確に言えば、金融庁が触れているのは「サブリース」ではなくて、「アパート・マンションローン」(個人による貸家業向け貸出。以下「アパマンローン」という。)の貸出の増加についてです。

先ほども述べましたが、建築業者によって行われている「サブリース」の大多数は、地主(=家主)が金融機関から建築資金を金融機関から借入れという仕組みをビルトインしたものですから、「サブリース」について触れているのと同じことになります。


金融庁の前年の平成27事務年度金融レポート では、「アパマンローン」、「サブリース」のいずれの用語も使われていません。「アパマンローン」に触れたのは、今回の平成28年の金融レポートが初めてということになるようです。


平成28事務年度金融レボートの本文130頁には下図が掲載されるとともに、次のように記述されています。


融資案件持込み率と経過年数と空室率.jpg



貸家業の特徴

アパマンローンの対象である貸家業(個人向けアパート・マンションの賃貸業)には、①空室率は、築年数の経過とともに上昇する、②賃料水準は、築年数の経過とともに低下し、築後15年経過後を目安に低下傾向は顕著となる、③地域銀行によってバラツキはあるものの、足下の実際の賃貸物件の収支状況は、一定程度が赤字であり、築後15年を経過すると赤字先は更に増加傾向になる、といった特徴が認められた(図表Ⅲ-4-(1)-6)。  


アパマンローンの融資は、建築業者から金融機関への持込みが4分の3だということですので、建築業者が金融機関と組んで営業をしていることが分かります。

そんなことよりも、「家主の賃貸物件の収支は、一定程度が赤字であり、築後15年経過で赤字であるところは増加傾向にある」と金融庁がレボートで指摘していることの方が重大であると言えます。


建築業者が地主(家主)に持参する事業計画書では、経過年数による家賃の減額も、空室が発生することも見込んでいません(私はこれまでに5、6社の事業計画書を見たことがありますが、空室発生を見込んだものは0社、経年による家賃の減価を見込んだものは1社しかありませんでした。)。

それに加え、「サブリースの家賃保証は20年とか、30年続きます」などと 地主(家主)に耳障りのよいことを契約時に言ってサブリース契約を結ばせますが、契約を結べばこっちのものと、何年か経った時点で「今の金額ではサブリース契約を継続できません。契約書にも書いてあります」と言って、家主に保証額の減額を呑ませるのが常道です。

家主の収支が一定程度、赤字になっているのは当然のことだろうと思いました。

むしろ、どれだけの被害が発生しているか、「一定程度」とは 何割ぐらいのことなのかを知りたいと思いました。

わざわざ金融庁が金融レポートで触れてたのは、どこかしこで、金融機関が建築業者と組んで、土地持ちの小金持ちに対して無謀な事業計画に基づきアパマンローンの貸し込みをしていて、目に余る状況にあり、それを喚起させるためのことだろうと考えられます。

なので、「一定程度」とは相当な割合となっているものと予想できます。それが、2割なのか、3割なのか、4割なのか知りたいと思いませんか。




金融レボートでは、経過年数が5年、10年、15年、20年における空室率を載せています。

空室率とは、マンションや貸しビルで空室のある割合のことで、空室数に空室機期間(月数)をかけた数値を、全室数を12倍した数値で割り100をかけることで算出されることになるそうですが、

     5年      2.6 %

   10年      7.1 %

   15年      8.5 %

   20年    11.6 %

ということになるそうです。

経過年数5年、10年15年、20年の時点で、当初の契約時と比べて賃料はどの程度になってしまうのでしょう。そそれが分かれば、経過年数が5年、10年、15年、20年時において家主が受取ることができる賃料が、当初(契約時)と比してどの程度になるかが分かるからです。

しかし、金融レポートでは賃料の減価、つまり賃料水準の方に関しては、「築年数の経過とともに低下し、築後15年経過後を目安に低下傾向は顕著になる」としか触れていません。


アパートやマンションの賃料水準は経過年数によりどうなるのでしょう。

グーグル検索をしてみたところ、三井住友トラスト基礎研究所研究員菅田修氏が作成した2013年1月16日付の「経年劣化が賃料に与える影響とその理由」という論文を見つけるもとができました。


この論文における経過年数ごとの賃料水準の分析は、東京23区の賃貸マンションを対象に、タイプ(2区分)×成約時期(11区分)×築年数(26区分)で区切ったアットホーム株式会社の成約事例データ(階層化データ)を用いて、572本のモデルを構築し、経年が賃料に与える影響を分析したものだということだそうです。

東京23区における賃料水準を「シングル」、「コンパクト」の2種で出していますが概要がわかればよいので、「シングル」、「コンパクト」のうち数値が高い方のものを抜き出してみると、

   5年   100 %

  10年    89 %

  15年    85 %

  20年    83 %   

ということになるになります。

(感想ですが、賃料水準が 20年経過でも8割超を維持しているのは東京23区を対象としてからではないかと思いました。また、名古屋ないしその近郊だと20年経過で当初の8割の賃料では借り手がいないのではないかと思いました。)


これで、家主が受け取る月額賃料総額を100万円としたとき、経過年数5年、10年、15年、20年の賃料総額がいくらになるかを試算できるますので、試算してみると、下のとおりになります。


当初(0年)         1,000,000円

経過年数(  5年)    974,000円 (=1,000,000×(1-0.026)×1.00)   

経過年数(10年)    826,810円 (=1,000,000×(1-0.071)×0.89) 

経過年数(15年)    777,750円 (=1,000,000×(1-0.085)×0.85) 

経過年数(20年)    733,720円 (=1,000,000×(1-0.116)×0.83) 



20年間の事業計画上の受取賃料総額は、240,000,000円。

(=1,000,000円×12ヶ月×20年)


受取賃料総額の試算額は、214,713,600円。

(=1,000,000円×12ヶ月×5年+974,000円×12ヶ月×5年+826,810円×12ヶ月×5年+777,750円×12ヶ月×5年) 


差額は 25,286,400円 と出ましたが、試算での経過年数による賃料の減額が実際よりも小さいのではないかという感想を持ちました。

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中止命令の件数の年次推移 [感想]

暴力団員と言ったほうが正確なのかもしれませんが、ヤクザ者と示談交渉時に、会うことがなくなって久しい気がします。

ヤクザ者が表から消えたのは暴力団排除条例が施行された以降であるかのような記述をしている本もあります。暴排条例は、たった8年前の平成22年(2010年)の福岡県のものが最初です。ヤクザ者に会うことがなくなったのはもっと前であった気がします。


記憶を手繰り、「そう言えば、ヤクザ者を騙ったカタギの社長が逮捕されたことがあったが、それくらいの頃から、組の名前を出せば警察が有無を言わせず 逮捕するようになったなぁ」ということを思い出しました。社長の勾留状謄本を請求した記録が残っていたので見てみたら平成15年(2003年)6月となっていました。


その当時、何か思い当たることがあったでしょうか。

暴力団対策法の制定は平成3年(1991年)で 10年以上前のことなので、直接は関係なさそうです。

桶川事件などの警察不祥事を受けた警察刷新会議が 民事不介入の誤った認識の払拭を提言したのは平成12年(2000年)のことでした。「刷新会議の提言を受けて、民事不介入のスタンスを変えることになったのかしらん」と思えてきたので、「民事不介入」をキーワードとして朝日新聞の記事を検索してみました。

でも、それらしい記事などありません。そもそも、2003年から2010年まで「民事不介入」という言葉が使われている記事は18件しかありません。


ヤクザ者を、いつ頃から、どういう理由で 見なくなったのか。

私は、警察が組の名前を出せば逮捕しまくったから、と考えているのですが、その考えを裏付ける根拠なり証拠を全く見つけることができませんでした。

ギブアップです。何か知っている方、教えてください。


  




暴力団対策法 は、指定暴力団員が暴力的要求行為等を行ったときに、公安委員会が中止命令を発することとしています(全国暴力追放運動推進センター「暴力団対策法の仕組み(チャート)」)。

この中止命令が発出された件数ですが、警察庁が公表する「暴力団の情勢」に、平成5、6年の警察白書で数値を補えば、平成4年から平成28年までの中止命令の件数の年次推移が分かります。




中止命令年次推移.jpg




公安委員会は、指定暴力団の暴力団員による 具体的な 暴力的要求行為を認定した上でなければ中止命令を出すことはできないわけですが、その材料を集めてくれるのは警察です。

ヤクザ者の逮捕はその材料集めのためだったのかな。



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手形交換は 急増後、急減していただけのことだった [豆知識]

2012年2月11日のブログ「手形の利用は激減している」では、手形利用が減っていることに触れましたが、その論拠として全銀協のホームページに掲載されたグラフ(全手形交換所での手形交換高と手形交換枚数の 昭和56年(1981年)から平成22年(2010年)ま,での年次推移をグラフ化したもの)を引用していました。 

下がそのグラフですが、その際、昭和56年から平成2年まで、手形交換高が急増していることには 何の気無しでした。



手形交換高(S56~H22) - コピー.png


それから5年、たまたま、大分県産業創造機構の機関紙「創造おおいた」に日銀大分支店中村光将氏が連載している「日銀コーナー 統計の散歩道 統計の散歩道」の2015年2月号の「手形交換枚数・手形交換高について」という記事に、大分県内の手形交換高と手形交換枚数の年次推移が掲載されているのを見つけました。1949年(昭和24年)から2013年(平成25年)までのものですが、そこに載っているグラフは、手形交換高も手形交換枚数も、形が崩れた山型 のものです。

枚数については 1976年(昭和51年)が山の頂き、金額は1985年(昭和60年)がそれになっていました。



大分県内の手形交換高.png



では、大分だけでなく、全国の手形交換所における手形交換ではどんなものなのでしょう。


統計局ホームページの統計データ〉>日本の長期統計系列>目次>第14章 金融・保険、手形、14-19手形交換(エクセル:44KB)と全銀協の「全国手形交換高・不渡手形実数・取引停止処分数調」を使えば作表できそうです。


ただ、手形交換高は、単位の変換をしないといけません。なので、手っとり早い、手形交換枚数についてのみグラフにしてみました。

下のがそのグラフで、きれいな お椀型 となりました。

手形交換枚数は、20年以上、減少傾向を示していますが、戦後から昭和55年頃(1980年)までは急増していたわけで、元に戻ったというだけになるようです。


手形交換枚数(1946-2014).jpg

データはこちら→ 手形交換枚数 - コピー.xls



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紙ベースの手形・小切手 [豆知識]

今年(2016)69日、安倍内閣は「未来投資戦略2017」を閣議決定しました。同戦略ではFin Techの推進を課題の一つにしていますが、手形・小切手については「全面的に電子的な仕組みへと移行することについて、官民がが連携した検討をする」ことを盛り込んでいます(未来投資戦略2017全体版の本文64頁、未来投資戦略2017概要 参照。) 

その流れを受け、全銀協は今月18日、「手形・小切手機能の電子化に関する検討会」を開催しました(日刊工業新聞HP20171221日「手形・小切手の電子化は進むか。全銀協が官民連携で検討」の記事参照) 

検討会は、「手形については電子記録債権(でんさい)へ、小切手についてはインターネットバンキングなどを使った振り込みへ」へと意見集約をしていくのでしょうか。 

 

このように電子化が課題となっている手形小切手ですが、手形交換所における取扱い比率はどの程度あるのでしょうか。

私がこれまで仕事で目にしてきた大多数は約束手形で、小切手はたまにで、為替手形など ほとんどありませんでした。実際、手形交換所での手形、小切手の取扱いの比率も、私がこれまで見てきた割合に類しているでしょうか。 

なかなか資料らしきものを見つけることができませんでしたが、全銀協が平成2411月発行している「手形・小切手のはなし」の5頁に、5年前のデータで少し古いですが、東京手形交換所における平成233月中の交換証券種類別内訳が掲載されているのを見つけました。

経済社会で活躍する小切手と手形.png

それによると、東京手形交換所の平成233月中の交換証券枚数は231万枚で、

小切手が58.0 1,339,800

手形が 23.7 547,470

その他が 18.3 422,730 

 

交換高は251019億円で、,

小切手が 1694378250万円

手形が8.3   208345770万円

その他が24.2   607465980万円

ということだそうです。 

小切手、手形、その他について、交換証券1枚あたりの交換金額(額面?)を計算してみると、

小切手  1264650

手形     380561

その他  1437007

ということになりました。

 

「その他」というのは、手形、小切手のほか、手形交換のために持ち出される、債権(地方債、社債)、利札、配当金領収書(株式、貸付信託)、金融期間相互の業務関係領収書、日本銀行関係支払証券(政府小切手、国際、同利札、同元利支払金領収書、国庫送金通知書)、郵便局関係証券(郵便為替証書など)のことになるようです(コトバンク「交換手形」の項参照)

この「その他」が、東京手形交換所における交換証券枚数4分の1を占めていて、交換証券1枚当たりの金額が143万円もあり、手形の38万円より高いということになります。

また、小切手が交換証券枚数のトップで58%もあり、交換証券1枚当たりの金額も126万円であるのに比べ、手形は8 で、1枚あたりの金額も38万円もの少額であることになるなんて驚きです。

倒産、不渡りなど病理的な場面でしか、手形や小切手を見ることしかないので、大外れでした。


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