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地域課長は、所属長注意をなぜ受けたのだろう [感想]

 稲沢署の刑事課長が、現行犯逮捕した万引犯を、部下に命じて釈放させ、停職3カ月の懲戒処分に処されたとの報道が先週ありました(共同通信2019年8月9日「愛知県警警部、容疑者を無断釈放」)。

「刑事課長はなぜ犯人隠避で送検されたのか」、「地域課課長がなぜ所属長注意なのか」、「地域課員はお咎めなしなの」等々の疑問が解消されず、どうにもすっきりしません。


日刊スポーツ中日新聞()、日経読売、朝日の記事を読み比べてみたのですが、読売には「発表によると」とありますので、愛知県警監察官室が発表した処分内容を各紙が記事にしていることが分かりました。


そうであれは、どこの記事も、金太郎飴のように同じであるはずなのですが、どうしてなのか、微妙に違っています。口頭の発表だったため、記者の個性が発揮されたのでしょうか。


公表された内容は整理すると次のようだったようです。


「令和元年6月4日、稲沢市内のホームセンターで、警備員が70代の男性を万引き犯(窃盗罪)として現行犯逮捕した。70代男性が万引きしたのは園芸用品など3点(計約1300円相当)。


警備員は午後1時すぎ、稲沢署地域課員に引き渡した。


万引犯の引渡しを受けた地域課員は、稲沢署に万引き犯を連れて行った。


刑事課の刑事係長の警部補に引き渡した。


刑事課長が、係長に指示し、弁解録取書を作成するなどの手続を取らないまま、午後2時45分ころ、万引き犯を釈放した。


翌6月5日、県警への情報提供で発覚した。


刑事課長は万引事件の発生を署長ら上司に知らせたが、逮捕は伝えていなかった。(したがって、署長らに報告せず無断で釈放した。)


愛知県警は8月8日、刑事課長を停職3カ月の懲戒処分とした。


刑事課係長を本部長注意の、懲戒処分ではない、内規に基づいた処分とした。


地域課長の男性警部についても、所属長注意の、懲戒処分ではない、内規に基づいた処分に処した。なお、地域課長の処分理由について、中日は「部下が連行したのに釈放を知らなかった(こと)」を、読売新聞は「この経緯を知らなかったとして」と、朝日新聞は「監督責任を怠ったとして」と書いている。


県警は、8月8日、刑事課長と刑事課係長を、犯人隠避容疑で、70代男性を窃盗容疑で、それぞれ書類送検した。」



愛知県警の通達を見つけることは出来ませんでしたが、警察庁の「万引き専用の捜査書類の運用及び万引きに係る捜査の合理化等について」には留意事項として「万引きに係る捜査書類については、被害現場において作成するよう努め、被害者、目撃者等の負担を軽減するよう配意すること。」と書かれています。


万引き専用の被害届がホームセンターから出ているではないかと思われるのですがどうなんでしょう。


万引き犯を釈放するにあたり、弁解録取書の作成をしていないなど、刑事訴訟法違反があったとして、犯人隠避となるのかしら。また、地域課長の男性警部が、どうして所属長注意の内部処分を受けたのか、それもよく分かりません。


流れ弾というのであれば、署長や副署長も受けてもおかしくないのですが。



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おー 怖っ [感想]

中日新聞の市民版に次の記事が乗っていた。


少女に暴行した疑い

南署などは 18日、強制性交等の疑いで、大阪府守山市××××××、建築業◯◯◯◯(23)を逮捕したと発表した。

 逮捕容疑では、昨年11月10日午前1時ごろ、家出中の当時16歳だった無職少女に自宅で乱暴したなどとされる。「そんなことせえへん」と否認している。

   署によると、今年1月に少女から話をきき、容疑が発覚した。少女と◯◯容疑者は会員制交流サイト(SNS)を通じて知り合ったとみられる。


逮捕までに6ヶ月あるが、何してたのだろう。

司法面接が、被疑者の身柄拘束(逮捕、勾留)をすることの 免罪符にされていないだろうか。

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コメントが参考になる [感想]

韓国向けの半導体材料の輸出規制が4日から発動されることになったそうです。

規制に先立ち、安倍首相は「相手が約束を守らない中では、今までの優遇措置はとれないということだ」と述べたということだが(日経新聞2019年7月3日「対韓輸出規制『当然の判断』『WTO違反せず』 安倍首相)、当然のことを言ったまでではないかと思います

今回の輸出規制措置は、経済産業省安全保障貿易審査課の令和元年7月1日付「『輸出貿易管理令の運用について』等の一部改正について」に基づき、フッ化水素、フッ化ポリイミド、レジストの3品目について、大韓民国向け輸出及びこれらの関連技術の移転を一般包括許可及び特別一般包括許可の制度の対象から外し、 個別許可申請を求め、輸出審査を行うことになるようです(経済産業省2019年7月1日「大韓民国向け輸出管理の運用の見直しについて」、e-Gov パブリックコメント「『輸出貿易管理令の運用について』等の一部改正について」案刑番号595119080)。


この通達の第1項の目的の項には、

外国為替及び外国貿易法に基づく輸出管理制度は、国際的な信頼関係を土台として構築されていますが、関係省庁で検討を行った結果、日韓間の信頼関係が著しく損なわれたと言わざるを得ない状況です。 こうした中で、大韓民国との信頼関係の下に輸出管理に取り組むことが困難になっていることに加え、大韓民国に関連する輸出管理をめぐり不適切な事案が発生したこともあり、輸出管理を適切に実施する観点から、下記のとおり、厳格な制度の運用を行うこ ととします。 

と書かれています。

「日韓間の信頼関係が著しく損なわれた」の方は分かるのですが、「輸出管理をめぐり不適切な事案が発生したこともあり」とはどのようなことを指しているのでしょう。レーダー照射の際の背取りのことでも言っているのでしょうか。


細川 昌彦先生の日経ビジネスオンラインの2019年7月3日「誤解だらけの『韓国に対する輸出規制発動』」は参考になります(特に、読者の「コメント」欄)が、この点について触れられていません。


報道機関には、経済戦争だなどと煽るのではなく、正確な報道を期待しています。


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本決まりのようですね [感想]

軽減税率対策補助金のテレビCMが数日前からバンバン流れている。

消費税10%へ増税の見送りは なしということが確定的になったということか。


でも大丈夫なんだろうか



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実刑確定後の収容方法を定めた統一的なマニュアル [感想]

収容状(刑事訴訟法485条)の執行をしようとしたら逃げられた神奈川の件について、取材に応じた検察幹部は、

「実刑確定後の収容方法を定めた統一的なマニュアルはなく、各地検の運用に委ねているのが実情だ。暴力団関係者や抵抗が予想される場合は警察に同行を依頼することもあるが、検察事務官だけで向かうことが多いという。ある検察幹部は「呼び出したら来るというのが制度の前提となっていて、逃走は想定されていない」と明かす。裁判員制度開始後、被告が弁護人と打ち合わせる機会を十分に確保すべきだと認識されるようになり、保釈率は上昇。この幹部は、こうした現状があるのに『どうすれば確実に収容できるのかという議論が進んでいない』との懸念を示した。」

と言ったということだそうです  (日経新聞電子版2019年6月21日「検察・警察の不手際次々に 『出頭するはず』前提」)。

執行事務規程には「刑の言渡しを受けた者が呼出しに応じないとき,逃亡したとき又は逃亡するおそれがあるときは,検察官は,直ちに収容状を発付して検察事務官又は司法警察職員に対しその執行を指揮する(21条1項)」とあるんですが、この規程はマニュアルではないということなのでしょうか。

「直ちに」というのが、何日までかは、各地検ごとによって扱いを異にしているのかもしれませんが、4ヶ月経過が「直ちに」ではないことは明らかではないかと思うのですが、それも地検ごとで違うのでしょうか。

それに、検察官は司法警察職員に対しても執行指揮できることになっています。検察事務官5人と一緒に臨場した警察官2人に対しても検察官は執行指揮したということなのでしょうか。それとも検察事務官が援助依頼したということなのでしょうか。


どんな幹部が取材に応じたのでしょうね。



(参考)


刑事訴訟法(第七編 裁判の執行)(抄) 

第471条 裁判は、この法律に特別の定のある場合を除いては、確定した後これを執行する。

第472条

1 裁判の執行は、その裁判をした裁判所に対応する検察庁の検察官がこれを指揮する。但し、第七十条第一項 但書の場合、第百八条第一項但書の場合その他その性質上裁判所又は裁判官が指揮すべき場合は、この限りでない。

2 上訴の裁判又は上訴の取下により下級の裁判所の裁判を執行する場合には、上訴裁判所に対応する検察庁の検察官がこれを指揮する。但し、訴訟記録が下級の裁判所又はその裁判所に対応する検察庁に在るときは、その裁判所に対応する検察庁の検察官が、これを指揮する。

第473条 裁判の執行の指揮は、書面でこれをし、これに裁判書又は裁判を記載した調書の謄本又は抄本を添えなければならない。但し、刑の執行を指揮する場合を除いては、裁判書の原本、謄本若しくは抄本又は裁判を記載した調書の謄本若しくは抄本に認印して、これをすることができる。

第484条 死刑、懲役、禁錮又は拘留の言渡しを受けた者が拘禁されていないときは、検察官は、執行のためこれを呼び出さなければならない。呼出しに応じないときは、収容状を発しなければならない。

第485条 死刑、懲役、禁錮又は拘留の言渡しを受けた者が逃亡したとき、又は逃亡するおそれがあるときは、検察官は、直ちに収容状を発し、又は司法警察員にこれを発せしめることができる。

第486条

1 死刑、懲役、禁錮又は拘留の言渡しを受けた者の現在地が分からないときは、検察官は、検事長にその者の刑事施設への収容を請求することができる。

2 請求を受けた検事長は、その管内の検察官に収容状を発せしめなければならない。

第487条 収容状には、刑の言渡しを受けた者の氏名、住居、年齢、刑名、刑期その他収容に必要な事項を記載し、検察官又は司法警察員が、これに記名押印しなければならない。

第488条 収容状は、勾引状と同一の効力を有する。

第489条 収容状の執行については、勾引状の執行に関する規定を準用する。

刑事訴訟法(第一編 総則 第八章 被告人の召還、勾引及び勾留)(抄)

第70条

1 勾引状又は勾留状は、検察官の指揮によつて、検察事務官又は司法警察職員がこれを執行する。但し、急速を要する場合には、裁判長、受命裁判官又は地方裁判所、家庭裁判所若しくは簡易裁判所の裁判官は、その執行を指揮することができる。

2 刑事施設にいる被告人に対して発せられた勾留状は、検察官の指揮によつて、刑事施設職員がこれを執行する。

第71条 検察事務官又は司法警察職員は、必要があるときは、管轄区域外で、勾引状若しくは勾留状を執行し、又はその地の検察事務官若しくは司法警察職員にその執行を求めることができる。

第73条

1 勾引状を執行するには、これを被告人に示した上、できる限り速やかに且つ直接、指定された裁判所その他の場所に引致しなければならない。第66条第4項の勾引状については、これを発した裁判官に引致しなければならない。

2 勾留状を執行するには、これを被告人に示した上、できる限り速やかに、かつ、直接、指定された刑事施設に引致しなければならない。

3 勾引状又は勾留状を所持しないためこれを示すことができない場合において、急速を要するときは、前二項の規定にかかわらず、被告人に対し公訴事実の要旨及び令状が発せられている旨を告げて、その執行をすることができる。但し、令状は、できる限り速やかにこれを示さなければならない。

第74条 勾引状又は勾留状の執行を受けた被告人を護送する場合において必要があるときは、仮に最寄りの刑事施設にこれを留置することができる。

第75条 勾引状の執行を受けた被告人を引致した場合において必要があるときは、これを刑事施設に留置することができる。

 

執行事務規程 最終改正 平成28年5月2日法務省刑総訓第3号 (平成28年6月1日施行)

(不拘禁の者に対する自由刑の執行指揮)

 第18条

1 刑訴法第484条の規定による呼出しを書面でするときは,封をした呼出状(様式第9号)による。

2 刑の執行のため呼出しを受けた者が出頭したときは,本人であることを確認した上,刑事施設の長に引き渡し,刑の執行を指揮する。

 (執行指揮書)

 第19条

1 自由刑の執行の指揮は,執行指揮書(様式第10号)による。

 執行指揮書を作成する場合には,判決謄本又は判決抄本等により氏名,年齢, 刑名,刑期,未決勾留日数の通算等の記載を正確にし,必要があるときは,関係記録も調査する。

執行指揮書に判決抄本を添付した場合において,その抄本に罪となるべき事実が記載されていないときは,速やかに判決謄本その他罪となるべき事実が記載されている書面を追送する。

(逃亡者等に対する処置)

第21条

1 刑の言渡しを受けた者が呼出しに応じないとき,逃亡したとき又は逃亡するおそれがあるときは,検察官は,直ちに収容状(様式第12号)を発付して 検察事務官又は司法警察職員に対しその執行を指揮する。その執行前に司法警察 職員に対する指揮を取り消すときは,収容状執行指揮取消書(様式第13号)による。司法警察員に収容状を発付させるときは,収容状発付指揮書(様式第14 号)により,その指揮の取消しをするときは,収容状発付指揮取消書(様式第15号)による。

2 刑訴法第486条第1項の規定により検事長に収容を請求するときは,収容請求書(様式第16号)により,その請求の取消しをするときは,収容請求取消書 (様式第17号)による。

3 刑訴法第486条第2項の規定により検事長がその管内の検察官に収容状の発付を命ずるときは,収容状発付命令書(様式第18号)により,その命令の取消しをするときは,収容状発付命令取消書(様式第19号)による。

4 刑の言渡しを受けた者が収容状により引致されたときは,執行指揮書により刑の執行を指揮する。

検察官が収容状を発付するとき,司法警察員に収容状を発付させるとき又は収容状を執行したときは,執行担当事務官は,検察システムにより当該収容状に関する事項を管理する。


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児童相談所が受理する児童虐待通告件数のカウントの仕方 [感想]

「全児相」という、全国の児童相談所長を構成員とする団体がありますが(規約参照)、ホームページに機関紙「全児相」通巻第105号別冊になる「虐待通告の実態調査(通告と児童相談所の対応についての実態調査)」報告書」(平成30年8月発行)が掲載されていました。


報告書の69頁の「4.まとめ  4-1 虐待通告情報カウント方法統一の必要性について」には次のように整理されています。


4-1 虐待通告情報カウント方法統一の必要性について

   今回の調査により、全国の児童相談所における虐待通告受理の計上方法には、地域ごとのバラつきが広範囲に認められ、さらに年度ごとによって、同じ自治体内でも数え方に流動性が認められた。

各自治体内部の事情、予算・人事交渉の積み重ねや、その他の歴史的経過はそれぞれに一定尊重するとしても、全国的に何らかの基準によって統一したカウント方法の確立が、正確な実態把握とそれに基づく説得力のある諸施策のへの提言・立案のために必要である。今回の調査で明らかとなった、

複数の計上方法が現に混在している実態及び回収したデータ についての分析を通じて、最低限の基準として、以下の3つの件数について、カウント方法の統一を提案したい。

① 児童相談所が児童虐待に関し何らかの対応を行った、子どもの総延べ人数(通告、送致、情報提供を問わず全ての対応件数。重複受理も、結果的には虐待非該当であった事案もすべて含む)

② ①の子どもの年度単位での実人数

③ 前年度から引き続いて対応が継続した①にあたる事案の総延べ人数(実人数は②で計上)

①が重要なのは、児童相談所の通告受理と初動対応の実際的な総業務量は、①を起算点とし なければ把握できないからであり、➁が重要なのは、その地域の児童人口に対する要保護・要支援の子どもの実数を対応させる必要があるからであり、③が必要なのは、年度単位の統計では、実際の業務負担量が反映されていないからである。将来的には市区町村も同一基準で統計を行い、児童相談所の統計と統合することが課題となる。


やはりそうか。平成29年だと、133,778件ということですが(産経の記事、厚労省のデータ)、

虐待児童一人について、通告件数が複数回カウントされていることがあるということです。

通告があった児童虐待児童の人数を基準として検討してみると、違った見え方があるかもしれません。

通告に対し効果的な対応がなれば、再度、通告が発せられ、通告件数が増えていくであろうからです。


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特殊詐欺=ニセ電話詐欺 ≧ 振り込め詐欺 [感想]

特殊詐欺 」と 「ニセ電話詐欺」 は一緒のものなのですが、どちらを使うかは 警察によって違います。

今朝の水戸地裁の使用者責任の判決では、愛知県警のお膝元の中日新聞では「ニセ電話詐欺」、警視庁・大阪府警に本社がある朝日新聞では「特殊詐欺」を使っています。

よく分かっていないと 別の判決が出たのかと誤解する人もいることでしょうね。

image1.jpeg 

    中日新聞朝刊1面


image2.jpeg

    朝日新聞朝刊27面


「ニセ電話」陣営と「特殊詐欺」陣営は 勢力が伯仲しているのかしらんと思っていたところ、

先日20日の、タイで逮捕されたオレオレ詐欺の15人では、

「特殊詐欺」陣営に属しているかと思われた 朝日新聞が「振り込め詐欺」を使い、

外信部などない中日新聞ほか地方紙の「ニセ電話詐欺」陣営の方は、共同通信から記事配信どおりなのか、「特殊詐欺」を使っています。


振り込め詐欺 とそれに類似する手口の総称が 特殊詐欺 だったはずなのに、あえて振り込め詐欺を使う朝日新聞の意図は?


新聞界の天地には 複雑怪奇なる新情勢が生じています。

  

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約200年ぶりの退位 [感想]

平成も今日が最後。

天皇の退位は1817年の光格天皇以来とのことです(日本経済新聞2019年4月30日「退位  明治以降初めて」)。


前回退位された 光格天皇 というお方ですが、強い君主意識と皇血意識を持ち、朝儀や祭祀を再興復活させて、天皇と朝廷の権威を強化させた天皇でした(藤田覚著「幕末の天皇」、同「幕末から維新へ」29~48頁参照)。

天明7年(1787年)11月に挙行した大嘗祭を10世紀の貞観式・延喜式の形に復古させたり、中断したり、略式で祭られていた 新嘗祭を、御所内に神嘉殿を新造して祭ることにしたり、

御所が天明8年(1788年)の大火で焼失した際には、幕府と掛け合い、紫宸殿と清涼殿を平安時代の内裏と同じ規模で幕府に再建させたりしています。

加えて、嘉暦3年(1328年)以来となる伊勢神宮内宮外宮への奉納を実現されたり、幕府と交渉して380年ぶりに岩清水八幡宮臨時祭と賀茂神社臨時際を再興された天皇です。


余り知られていないと思いますが、天皇と朝廷の権力強化、幕末維新期の尊王思想や皇国観に強い影響を与えた、政治力を持った天皇でした。

「今回の天皇の退位は、光格天皇を習い、天皇家が政治権力の強化を図ろうとしているのではないか」という意見を述べている人は見かけませんでした。そんなことを言っても全く相手にされないというほど、象徴天皇制が広く社会に定着しているからなのでしょうか。


今回の天皇の退位は、天皇の退位等に関する皇室典範特例法 第2条の「天皇は、この法律の施行の日限り、退位し、皇嗣が、直ちに即位する。」を根拠としています。特別法で手当てをしています。

同法第1条では、

「この法律は、天皇陛下が、昭和六十四年一月七日の御即位以来二十八年を超える長期にわたり、国事行為のほか、全国各地への御訪問、被災地のお見舞いをはじめとする象徴としての公的な御活動に精励してこられた中、八十三歳と御高齢になられ、今後これらの御活動を天皇として自ら続けられることが困難となることを深く案じておられること、これに対し、国民は、御高齢に至るまでこれらの御活動に精励されている天皇陛下を深く敬愛し、この天皇陛下のお気持ちを理解し、これに共感していること、さらに、齢に至るまでこれらの御活動に精励されている天皇陛下を深く敬愛し、この天皇陛下のお気持ちを理解し、これに共感していること、さらに、皇嗣である皇太子殿下は、五十七歳となられ、これまで国事行為の臨時代行等の御公務に長期にわたり精励されておられることという現下の状況に鑑み、皇室典範(昭和二十二年法律第三号)第四条の規定の特例として、天皇陛下の退位及び皇嗣の即位を実現するとともに、天皇陛下の退位後の地位その他の退位に伴い必要となる事項を定めるものとする。

と立法趣旨を記しています。

例外中の例外ということをくどいほど述べていますね。

数えてみたら、第1条は 393字もあり、しかも一文。





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事件は現場で起きているのか [感想]



新聞各紙がその発表内容を当日には報道していましたが、今では 朝日新聞デジタルの記事(「児童虐待の被害、過去最多1394人 うち36人死亡」)しか読むことができる記事は見当たらないようです。


朝日の記事を読んでみると、

⑴   昨年一年間の全国の警察が摘発した児童虐待事件は 1380件。

事件として親や養親らを摘発した件数の約8割は身体的虐待で、傷害と暴行容疑が大半を占めた。強制わいせつなど性的虐待は前年比33・7%増の226件。事件化が難しい心理的虐待は摘発数の2・5%にとどまった。

⑵  全国の警察が昨年に児童相談所(児相)に通告した18歳未満の子どもは過去最多の8万252人。児相に通告した虐待で最も多いのは、言葉による脅しや無視など子どもの心を傷つける心理的虐待で、約7割を占める5万7434人(前年比23・7%増)。うち、子どもの前で配偶者らを暴行したり罵倒したりする「面前DV」が約6割の3万5944人。

ということを報じてきます。

⑴の 児童虐待事件 1380件は、「平成30年における少年非行、児童虐待及び子供の性被害の状況」15頁の「第2  児童虐待」「3  検挙状況(1)  概況」のところを報じたものです。

平成30年では、児童虐待事件の検挙総数が 1380件あり、その内訳が 身体的虐待 1095件、性的虐待 226件、怠慢・拒否24件、心理的虐待35件 であることを説明しています。

⑵の警察から児童相談所への通告件数が 8万0252件であったとの箇所は、平成30年における少年非行、児童虐待及び子供の性被害の状況」15頁の「第2  児童虐待」「1  通告児童数」のところを説明したものです。

平成30年における、警察から児童相談所への通告件数は 8万0262件で、その内訳が 身体的虐待 14,836件、性的虐待 260件、怠慢・拒否 7,722件、心理的虐待 57,434件(うち「面前DV」 35,944件) であったこととなります。

記事だと読みとばしてしまいますが、

                   児相通告件数       検挙件数

身体的虐待     14,836件           1,380件   

性的虐待            260件               266件

怠慢・拒否      7,722件                 24件

心理的虐待     57,434件                35件

 

 

※ 朝日新聞デジタルの記事では「検挙」のことを「摘発」と言い換えています。

京都産業大学社会安全・警察学研究所著作発行の「児童福祉に携わるひとのための「警察が分かる」ハンドブック68頁では「検挙」について「警察が被疑者を特定して、刑事訴訟法に基づく処分(逮捕又は送致)をすることを意味します。被疑者を逮捕したときは逮捕の時点、逮捕しないときは必要な捜査を終えて(その者の犯行であることを明らか にするのに必要な証拠の収集をし、書類を整えて)事件を検察官に送致(告訴・告発事件の場合は送付した時点で「検挙した」ことになります。」と説明がされていますが、この説明が一番正確であるように思います。

(下表は平成30年における少年非行、児童虐待及び子供の性被害の状況」15頁を抜粋したもの)

20頁ー.jpg


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「国益」という言葉 [感想]

高校の同級生らとの新年会を毎年しています。30人以上も集まり盛況です。


その宴席でのこと。「『国益』という言葉を最近よく聞くが、俺らの高校のころは『国益が何たら』なんて言わなかったよな」という話しが出ました。

酔っぱらいの戯言ですが、何となく気に掛かりました。

新聞雑誌記事横断検索を使って、年度ごとに、タイトルか本文中に「国策」が使われた記事が何本あるかを拾えば簡単に調べることができそうなので確認してみました。


朝日、読売、毎日、産経の四大紙と NHKニュース についてグラフ化したのが下図です。

収録時期が一番古い、朝日新聞でも1984年(昭和59年)8月4日が新聞雑誌記事横断検索の収録開始日なので、グラフは1984年(昭和59年)以降の期間についてのものになります。

「国益」全国紙とNHK.jpg

「国益」という言葉は 30年前は、今ほどは使われていなかったことが分かります。湾岸戦争とか、尖閣とかの紛争が起きると使用頻度が急増するようです。 

各紙(とNHK)の比較ですが、朝日、読売、毎日は 同じ傾向と頻度で、産経は使用頻度が 3紙の2倍で、突出していることが分かります。

また、NHKは 朝読毎よりも抑えぎみ,との傾向があることが読み取れます。


 


グラフデータは「国益」.xlsx ですので参考にしてください。

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