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目的外使用にご注意 [証拠収集]

今年1月16日のブログ(「訴訟記録を見て連絡してきた相談者」)で記事にした ゴルフ場の預託金に関する相談の件は、結局、訴訟を提起することになりました。

今日のブログは、その訴訟における立証に関してです。

   

私の手元には、今回の訴訟の被告が、

6年前の財産開示手続で提出した財産目録があります(当然、6年前の財産開示手続の申立人は、現在の訴訟の原告とは別人です。)。

この財産目録を、被告の無資力を立証するための証拠として提出したいと考えています。

しかしただ、一手間掛けた上で、訴訟に出すようにしないと、

自ら トラブルを招き入れることになり兼ねません。

と言うのは、民事執行法は、債務者のプライバシー保護という趣旨から、

財産開示手続の申立人や記録の閲覧者が、財産開示手続において得られた債務者の財産・債務に関する情報を、その債務者に対する債権をその本旨に従って行使する本来の目的外の目的のために利用し、または提供してはならない(民事執行法202条1項、2項)、

違反した者には30万円以下の過料の制裁がある(同法206条2項)、

と規定しているからです。

   

もし私が、手持ちの 被告であるゴルフ場の財産目録を訴訟に書証として提出したとして、被告であるゴルフ場(あるいはその代理人弁護士)がそのことを咎めて、

「民事執行法 202 条の目的外使用に該当するので、懲戒請求をする」

とでも言われようものなら、反論の余地がありません。

その場合には、悔しいことですが、ただただ謝罪をして、被告に許しを乞うしかありません。

被告であるゴルフ場の財産目録は、財産開示手続で得た情報ですので、その使用には民事執行法202条の縛りが掛かっていることになります。

財産目録の訴訟での証拠としての利用は、証拠事実を立証することを目的とした利用であって、

債務者に対する債権を本旨に従って行使することを目的とした利用ではありません。

そのため、民事執行法202条の目的外使用の縛りに触れることになるというわけです。

   

財産目録の書証として提出するに際、トラブルを避けたいのであれば、

被告であるゴルフ場に、財産目録を書証として提出することの同意を予め得ておく、

とか、あるいは、   

財産開示手続事件の記録を保管している(執行)裁判所を嘱託先とした 文書送付嘱託の申立てを裁判所にして(民事訴訟法226条)、裁判所に届いた財産目録を謄写して、書証として提出する

とか、一手間を惜しまないよう、万全の対策を立てておく必要があることになります。

   

(参考) 

民事執行法

(財産開示事件に関する情報の目的外利用の制限)

第202条

1  申立人は、財産開示手続において得られた債務者の財産又は債務に関する情報を、当該債務者に対する債権をその本旨に従つて行使する目的以外の目的のために利用し、又は提供してはならない。

2 前条第二号又は第三号に掲げる者であつて、財産開示事件の記録中の財産開示期日に関する部分の情報を得たものは、当該情報を当該財産開示事件の債務者に対する債権をその本旨に従つて行使する目的以外の目的のために利用し、又は提供してはならない。

(過料に処すべき場合)

第206条

1  次の各号に掲げる場合には、30万円以下の過料に処する。

 開示義務者が、正当な理由なく、執行裁判所の呼出しを受けた財産開示期日に出頭せず、又は当該財産開示期日において宣誓を拒んだとき。

 財産開示期日において宣誓した開示義務者が、正当な理由なく第199条第1項から第4項までの規定により陳述すべき事項について陳述をせず、又は虚偽の陳述をしたとき。

2  第202条の規定に違反して、同条の情報を同条に規定する目的以外の目的のために利用し、又は提供した者は、30万円以下の過料に処する。

民事訴訟法

(文書送付の嘱託)

第226条  書証の申出は、第219条の規定にかかわらず、文書の所持者にその文書の送付を嘱託することを申し立ててすることができる。ただし、当事者が法令により文書の正本又は謄本の交付を求めることができる場合は、この限りでない。


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