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獣医師の供給 [困惑]

唐木英明現東大名誉教授が、WEBRONZAの「加計学園「半世紀ぶり獣医学部」の本当の意味 世界レベルから取り残される日本の貧困な教育環境」で次のように書いています。

「獣医学の入学定員は930名だが、獣医師国家試験合格者数は約1000名である。その仕組みを見ると、受験者数は約1300名だが、その内訳は、入学者のうち1050名程度が新卒で受験し、残りは受験を延期する。そして不合格者約100名と受験延期者を合わせて約250名が翌年以後受験する。従って、受験者1300名から2回受験する約100名を除く約1200名が入学者数と考えられ、入学定員の約1.3倍になる。もし930名の入学定員を厳守すれば、国家試験合格率は約8割なので、獣医師供給数は750名程度に激減する。これを放置すれば、これまでも不足が続いていた家畜臨床や公衆衛生分野の獣医師がさらに減少し、社会的混乱を招く恐れがある。」


本当にそうなのかを確認しようとしましたが、獣医師国家試験の試験結果を整理した統計資料を見つけることができません。農水省のホームページには 5年分の結果しか掲載していません。


仕方がないので、検索期間を絞ったり、試験の回次をキーワードにして グーグル検索してみました。

農水省と獣医師会のホームページに掲載されているデータから、第50回(平成10年度)からの第68回(平成28年度)までの 19回の 受験者数と合格者数を確認することができました。


下図がそれとなります。


獣医師国家試験.jpg


19回の試験での合格者数の平均は 1031人。 受験者数は1250人ぐらいであることが分かります。

   

獣医学科の定員は930人ということだそうですので、合格者は獣医学科の入学定員よりも多いことになります。


獣医師国家試験の受験者が 1250人ぐらいだということは、獣医師国家試験の受験者は、獣医学科の入学定員よりも 34% も多いことが分かります(計算式…(1250人-930人)/930人  )。


獣医学科に入学後、ドロップアウトしてしまい国家試験を受験しないこととなった方もいるでしょうから、その点を勘案すると 獣医学科への入学者数は 国家試験の受験者数よりも もう少し多いということになるのでしょう。


平成10年から20年ほど同じことになっていますね。   

 

獣医師の年間供給が 1000人強 だというのであれば、930人の獣医学科の定員は少ないということになるの明かではないかと思うのですが、なぜ、農水省も、文科省も獣医師は足りているなどと 言うのでしょうか。やめてほしいわ。



本当は 何人が労働基準監督官の業務をしているの ? [困惑]

(前回の続き) 

労働基準監督年報で、労働基準監督監督署に配置された 労働基準監督官の定員の年毎の推移を整理できるはずだと思われたのではないでしょうか。それは私も同じでした。

さっそく、事務所近くの 愛知県図書館 で労働基準監督年報をチェックすることにしました。

下の 「労働基準監督官・定員(人)の推移」がその調査結果です(元データは末尾に掲載しておきました。)。

労働基準監督署配置の労働基準監督官と労働基準監督官全員の、それぞれの定員数 の年次推移をグラフは示していますが、数十年にわたり微増であったことが分かります。

グラフでは欠けが生じていますが、昭和31年(1956)から36年(1961)の6年分は、労働基準官の定員数 が掲載されていないためデータの集計ができませんでした。昭和63年(1988)から平成3年(1891)、平成6年(1894)から平成22年(2010)までの分の欠けは 愛知県図書館が労働基準監督年報を所蔵していないためでした。

調査未了なので完成させてからブログに載せようかとも思ったのですが、欠けた部分のデータがなくとも、定員の推移がどうであるかは一目です。知り得た知識を明らかにすることを優先することにしました。

時機をみて完成させたものを出したいとは思います。

労働基準監督年報の平成23年(2011)から平成27年の5年分は、厚労省がインターネット上で公表している労働基準監督年報のデータを使わさせてもらいました。                             

  労働基準監督官 定数年次推移.jpg

もちろん、労働基準監督官の定員数の漏れデータを、審議会等で厚労省が公表しているデータで補えなえるのではないかと考え、インターネット上で調べてみました。

そうしたところ、「労働基準監督業務について 《事務・事業説明資料》」という標題の厚労省が作成する資料を見つけました。

資料の2頁目では、労働基準監督業務に従事する 職員 (非常勤) を、

平成22年度(2010)が

      本省          23人(うち非常勤 0人)

      労働局     444人(うち非常勤54人) 

      監督署  2,474人(うち非常勤207人) 

であるとしています。

今年3月16日付の厚労省労働基準監局が作成した「労働基準監督行政について」では、労働基準監督署配置の労働基準監督官について、 

     平成25年度(2013)   3,198人

     平成26年度(2014)   3,207人    

     平成27年度(2015)   3,219人

     平成28年度(2016)   3,241人 

としていたはずです。労働基準監督署配置の労働基準監督官の数が 平成22年度(2010)と平成25年度(2013)では900人ほど、労働基準監督官の数が合いません。

(補足 … 労働基準監督官は非常勤職員ではないので、労働基準監督署において労働基準監督業務に従事している平成22年の職員数2,474人から非常勤の207人を引いた人数である 2,267人が労働基準監督官の上限であるはずです。その2,267人と平成25年度の3,198人では 931人の差異が生じていることになります。) 

平成23年(2011)、平成24年(2012)の2年間で (労働基準監督署配置の労働基準監督官について) 900人の大幅増員がなされていれば、二つの資料の辻褄は合うことになるのですが、どうなのでしょう、

 (下図は、厚労省労働基準監局が作成した平成29年3月16日付「労働基準監督行政について」本文1頁目と同省作成の「労働基準監督業務について 《事務・事業説明資料》」本文1頁目を対比させた図。)

 労働監督官と労働基準監督業務担当職員.jpg

 

幸いなことに、平成22年と平成25年のミッシングリングを埋める、平成23年(2011)と平成24年(2012)の、労働基準監督署に配置された定員数が労働基準監督年報に掲載されていることが分かりました。

平成23年労働基準監督年報(第64回)の 28頁には、平成23年度の

        労働基準監督署  3,169 人 

と、また、平成24年労働基準監督年報(第65回)の33頁には、平成24年度の

        労働基準監督署  3,181人  

と書いてあることが確認できました。

 

厚労省が作成した「労働基準監督業務について 《事務・事業説明資料》」本文1頁目の

平成22年度(2010)

  本省          23人(うち非常勤 0人)

  労働局     444人(うち非常勤54人) 

  監督署  2,474人(うち非常勤207人) 

という労働基準監督業務に従事者の数字が、異質なものであることが一応は分かりました。

 

なぜ、このように 底の浅い、不整合なことを 言い続けていたのでしょうか。

また興味が湧いてしまいました。

 

続きを読む


見比べてみると、警察官の懲戒処分の記事は いずれも 1 月 27日 (1) [困惑]

春の選抜高校野球ですっかり忘れていたことを思い出しました。
   
それは、2ヶ月前の 平成29年(2017年) 1月26日 の朝日デジタルの記事のことで、
   
夏の全国高校野球選手権大会で、優勝校を当てる賭け行為をしたとして、大阪府警が泉大津署の警察官 16人を本部長注意などの処分にしていたことが情報公開請求でわかった
 
という内容のものです(朝日新聞DIGITAL2017年1月26日「高校野球賭博や三代目JSBチケ転売… 警官16人処分」)。
   
    
泉大津署の20~30代の地域課、留置管理課などに所属する署員が2011年、12年、15年に、「賭け金を3千円以上にすると 賭博の罪に問われる」と示し合せて、1人 2 千円ずつ賭け金を出して高校野球賭博をしていたことが、2015年(平成27年)11月頃発覚し、賭けに関与した9人と非常勤職員を賭博容疑で書類送検した 
   
と記事には書かれているのですが、
 
「賭博をしたとして書類送された 9人と非常勤職員」というのが、リードにあった「野球賭博をした件で本部長注意を受けた16人の警察官」と同じ人達のことを指しているのか、
 
本部長注意は受けたが 送検されていない警察官もいると言っているのか、分かりませんでした。
     
   
引っ掛かっていたため、暇なときにでも確認して見ようと思っていたのですが、忘却の彼方にありました。
     
 
朝日の記事には「朝日新聞の情報公開請求でわかった」と書いてあり、独自取材のスクープ記事であることを窺わせていましたので、他紙の後追いがなければ 他紙の記事は期待できないかも、と思いならがも新聞雑誌記事横断検索を使い、調査してみました。
   
検索期間を「20170126~」、検索キーワードを「大阪府警 」「賭博」として検索してみたところ、24件の記事がヒットしました(下図は検索結果画面のハードコピーの一部)。 
 
 新聞雑誌記事横断検索結果.jpg
 
 
    
朝日だけでなく、読売も、毎日も、産経も 同じ日に 同じような記事があるではないですか。
     
 
時事通信の配信時間が 2017/1/26-19:58 となっている「警察署で野球賭博= 所員16人注意処分- 大阪府警」という記事が 現時点でも無料で読めるのが分かったので、記事の内容を確認してみますと、
 
泉大津署の職員16人が平成28年(2016年)2月17日付で注意処分を受け、16人のうち8人が単純賭博容疑で書類送検されたがいずれも起訴猶予処分となったことが1月26日に府警への取材で分かった
 
という内容で、情報公開請求した朝日の記事よりも 秀逸です。
   
ただ、朝日の記事では、書類送検されたのは「9人と非常勤職員」で、10人以上が書類送検されたことになりますが、
   
時事の方は「16人のうち 8人が単純賭博容疑で書類送検された」ということで、8人送検されたことになり、送検された数が二つの記事では合っていません。
   
   
情報公開請求と大阪府警への取材のどちらが正しいのでしょう。
   
   


新聞社が新聞・雑誌記事横断検索に提供する記事は選別されたものなのか? [困惑]

記録を整理していたところ、切り取りして取っておいていた新聞記事がありました。

2004年(平成16年)10月5日の中日新聞夕刊の三面記事(13面E版)の「派遣会社資産隠し  時間差悪用預金おろす  午前中察知 信金に急行 」というタイトルの記事で、

整理回収機構による預金差し押さえを免れようとした強制執行妨害事件において、名古屋地裁が速達で郵送した差し押さえ通知が、名古屋市と三重県の金融機関では三時間の時差があることを利用して、差し押さえ通知が三重の金融機関に届かない間に、その金融機関にある預金を直前に引き出していたとして、会社社長、預金を下ろした会社社員のほか、信金本店の営業部長を逮捕した

というものです(記事は画像として末尾に引用しておきます。)。

 

逮捕された信金の営業部長はその後、どうなったのでしょう。

関心が湧いたので 新聞・雑誌記事横断検索 を使って調べたのですが、記事が見つかりせまん。

なるべく粗く、キーワードを「整理回収機構」、検索期間を「20141004~20141010」に広げてみましたが、

同一事件についての 2004年(平成16年)10月4日夕刊 の記事「中村の派遣業者 数億円の資産隠す  愛知県警  家宅捜索 RCC差し押さえ逃れ」しかヒットしません。5日の記事は消えてしまったようです。

(下は検索結果画面) 

 検索結果.png

キーワードを「愛知県警」として同様に検索してみましたが、結果は同じでした。

 

中日新聞は、新聞雑誌記事横断検索に、記事を選別して 提供しているということになりそうです。

 

 新聞記事(20041005中日夕刊).jpg

 


簡裁の指摘で発覚 [困惑]

逮捕状を無断で書き換えた 愛知県警半田署交通課の警部補と巡査長を、名古屋地検は 今月16日 起訴猶予としたそうです(朝日新聞デジタル平成28年11月21日「逮捕状書き換え容疑の警官2名、不起訴処分  名古屋地検」)。
     
 
 
「有印公文書変造・同行使でも、懲戒とはならないのか」と ただ、ただ驚いていたばかりでした(愛知県のHP「『懲戒処分の基準』について」参照)。
        
 
でも事件の端緒は、 「簡裁が修正に気づいて発覚」 ということです。
 
    
裁判所が発令済の逮捕状の記述内容を見る機会など、それが添付資料として提出された場合しか考えられません(日弁連「捜査段階で裁判所が関与する手続の記録の整備に関する意見書」参照)。 
 
    
よく気付いたと思いますが、 勾留請求の際に、裁判官が気付いたということになるようです。
     
 
警察官らは逮捕状の変造を検事にも黙っていたのか、あるいは、検事は知っていたのか、また、検事は気付かなかったのかなど 疑問は尽きません。 
        
   
警察官らが相当悪質であることは間違いなさそうです。
    
ですが、懲戒ではない内部処分は既に終わっているようなので、起訴猶予により 「これにて一件落着」となりそうですね。 
    
 

横浜の傾斜マンションに関し是正勧告 [困惑]

三井不動産レジデンシャルと三井住友建設が 事業主と施工主 になっている、横浜市都筑区の大型マンション「パークシティー LaLa 横浜」のマンション傾斜問題に関し、横浜市が 両社に対して、昨日26日、 建築基準法に基づく是正勧告(行政指導)をしたということです(日本経済新聞 2016年8月26日「横浜市、三井不などに是正勧告  傾斜マンション巡り」)。
       
                         

両社とも、6月末の時点で、 震度 5強程度の地震で、複数の梁(はり)や柱にヒビが生じる可能性があることを自認していました(産経ニュース2016年6月30日「震度5強級で柱にヒビの恐れ」元請けが報告 横浜市が建築基準法違反の有無判断へ」)。

なので、「パークシティー LaLa  横浜」が、建築基準法の定める耐震基準を満たしていない箇所があるとして、横浜市が両社が建築基準法に適合した耐震基準を満たすよう求めたのは 当然と言えば当然です。

 

ただ、両社に勧告する段に至っても、「パークシティー LaLa 横浜」の杭打ちをした 旭化成建材から横浜市への 建築基準法第12条第5項に基づく報告がされずじまいです。

 

旭化成建材は横浜市から、データを改ざんした原因や、くいの施工不良に関する報告などの報告を求められていました。

もっとも、横浜市が、旭化成建材に対して、いつから報告を徴求していたのかその時期ははっきりしません。当初は、三井不動産レジデンシャルと三井住友建設だけが報告を求めていただけで、旭化成建材は報告は求められていなかったのかもしれません(横浜市 建築・都市整備・道路委員会における建築局作成平成27年12月10日付「基礎ぐい工事問題に対する対応について」を読むと、旭化成建材は工事施工者でないと読め、昨年12月時点では旭化成建材には報告義務を課されていなかったかのように読めます) 。

 

今年6月30日の日経新聞の記事(「傾斜マンション『震度5強で損傷の恐れ』 横浜市に報告」)は、横浜市が旭化成建材に対しデータ改ざんの原因などに関する報告書を6月30日に提出するよう求めていたが、同社は「一部調査が未了だとして」提出を7月29日に延期をしたと報じています。、

なので、横浜市が、一定の時期に、旭化成建材に対し データ改ざんの原因などに関する報告を平成28年6月30日までにするよう求めていたことは間違いありません。

 

旭化成建材は、延期した7月29日の報告書の提出期限を 再度、8月26日まで延期しました。それだけげなく、8月26日の期限も再々度、9月30日まで延期すると横浜市に伝えてきたということです(産経ニュース2016年7月29日「旭化成建材が報告を再延期」、東京新聞2016年8月27日「横浜・都筑区の傾斜マンション問題  が業者に是正勧告」)。

 

    

私は「長さ14mの杭を どうやって地面に16m打ち込む」のかを知りたいと ずっと思っています(今年5月12日のブログ「14mの杭を 16m打ち込む」参照)。

旭化成建材がどのような内容の報告をするのか心待ちにしていますが、報告はいつになるのでしょう。


「弁護士の年収低下 新人は 5年前比 210万円減」 [困惑]

表題の記事が 8月9日の日経新聞に掲載されましたが、

「法務省の調査で 2015年の新人弁護士の平均年収は 568万円となり, 5年前の 10年に比べ 210万円減ったことがわかった。」 

そうです(日経新聞2016年8月9日「弁護士の年収低下 新人は 5年前比 210万円減」)。 

 

給与所得者の平均給与は415万円です(給与所得者の平均給与額415万円については国税庁HP「平成26年分 民間給与実態統計調査」参照)。

なので、この記事に目を通した人の多くは、「弁護士の新人の年収が下がったそうだが、給与所得者の平均年収よりも貰っていて、恵まれてるな」と思うことでしょう。

 

でも、本当にそのとおりなのでしょうか。 

記事の「2015年の新人弁護士の年収が568万円」の根拠が何んなのかを探してみたところ、法曹養成制度改革連絡協議会の平成28年7月8日開催された第4回協議会において、事務局が資料4-1として提出した「法曹の収入・所得,奨学金等調査の集計結果(平成28年7月)[PDF]」がそれであることが分かりました。

1月以上も前の ネタ でした。   

 

この「法曹の収入・所得,奨学金等の集計結果」では、弁護士の収入・所得について、

53期から67期の弁護士を調査対象に、平成25年分から平成27年分の収入・所得を調査事項

とするした調査をしています。

 

日経の記事は、収入にだけ触れたもので、

(収入-必要経費)で計算される 弁護士の所得

の方は、どのような魂胆で触れないのかがわかりませんが、等閑視です。

 

仕方がないので、 

平成27年の所得が、1年目の弁護士、6年目の弁護士、11年目の弁護士、15年目の弁護士では、それぞれどのような所得分布を示しているかについて 集計結果12頁で整理されていましたので、それを整理しなおして見ました。 

結果は下表のとおりです。 

 弁護士の年収.jpg

数字から明かなことは、     

1年目の弁護士の所得の平均値は327万円、中央値は317万円。

1年目の弁護士の18 % は年収200万円未満。

11年目でも 19.6% が年収 400万円未満。

16年目でも 17.4% が年収 400万円未満。 

ということです。

 

 

(資料-集計結果12頁から引用) 

 1年目.png

   6年目.png

11年目.png

15年目.png 

 


日本保釈支援協会が なぜ関与 ? [困惑]

先週17日に金融庁から、金融商品取引法違反の事実があったとして行政処分を受けた証券会社4社のうち、

野畑証券(岡崎市)と上光証券(札幌市)の2社については、メディカルケアインベストメント社のレセプト債の販売時の説明のほか、

合同会社プライオールという会社が発行する 「合同会社プライオール普通社債」(以下「プライオール債」と言う。) と呼ばれる私募社債の販売時の説明が誤解を与えるものであったことが指摘されています(「野畑証券株式会社に対する行政処分について」、「上光証券株式会社に対する行政処分について」各参照)。

この プライオール債の発行と、資金流通の経路は下図のようになります(同図は証券取引等監視委員会が2016年6月10日に発表した「野畑証券株式会社に対する検査結果に基づく勧告について」中において「参考資料(PDF:93KB」の2枚目の「プライオール債関連事案の概要」と題したポンチ図をそのまま引用したものです。)。  

プライオール債.jpg

 

このプライオール債は、 

刑事被告人の保釈保証金の立替事業を行っている 一般社団法人日本保釈支援協会が設立した合同会社プライオールが発行した社債で、それを野畑証券と上光証券が顧客に販売していたということになります。

 

ところで、昨年9月の新聞報道によると、2014年(平成26年)における日本保釈支援協会の保釈保証金の立替えは、

 3,732件    72億1800万円

だったということで、保釈保証金の立替えは件数、金額とも伸びているとのことです(神戸新聞NEXT 2015年9月8日「被告保釈率25%に上昇 裁判員制度機に意識変化」)  。

プライオール債の発行は、保釈保証金の資金調達のためだったことになるようです。

 

 

「野畑証券に対する行政処分」では、


  •   合同会社プライオール(東京都中央区、以下「プライオール社」という。)は、一般社団法人日本保釈支援協会(東京都中央区、金融商品取引業の登録はない。以下「 JBSA 」という。)によって設立・運営されており、「合同会社プライオール普通社債」との名称の社債(以下「プライオール債」という。)を発行し、資金を調達している。
   
  • プライオール債 によって調達した資金は、JBSA が行っているとする「保釈保証金の立替」に充てるために、 JBSA に対して貸付けを行うとしている。

 

プライオール債の発行残高は、平成28年3月末現在、約 17億円となっており、そのうち当社が 約 11億円、上光証券株式会社が 約 6億円を販売している。

 

  • しかしながら、プライオール債 によって調達された資金については、JBSA からの請求に基づき プライオール社 からの資金の使途を限定することなく JBSA に貸付けが行われてており、実際に、 JBSA において、MCI社((株)メディケアインベストメント社のこと)の関連会社の社債引受け、プライオール社への出資等に用いられるなど、「保釈保証金の立替」以外の使途にも充てられていることが認められた。

 

との指摘がされています。

 

日本保釈支援協会がなぜ、プライオール債で調達した資金を使って、メディケアインベストメント社の関連会社の社債引受けをしたり、プライオール社への出資に使ったりしているのでしょう。

飛び火して、新たな問題となるかも知れません。   


三菱東京UFJ銀行の国債保有残高急減は、マイナス金利のせいか [困惑]

三菱東京UFJ銀行が 国債市場特別参加者資格を返上するそうです。返上の理由について日経には、日銀のマイナス金利政策のもとでは国債を持ち続ければ損失が発生しかねず、国債の買い入れについて株主の理解が得られないからであるかのようなことが書かれています(日本経済新聞2016年6月8日 「三菱UFJ銀行、国債離れ 入札の特別資格返上へ マイナス金利で損失懸念」)。   

 ? ? ?   

三東京UFJ銀行が国債保有残高を急減させていることと、日銀のマイナス金利導入とは直接は関係なさそうです。また、国債市場特別参加者資格返上も直接は関係なさそうな気がするのですが。

 

ネットて確認できるところとして、証券経済研究第89号(2015.3)の勝田佳裕氏著「バブル崩壊以降の国債累増・国債保有構造と国内銀行の国債保有」という論文中に、

都市銀行( ≒ メガ3行)の国債保有残高の年次推移(129頁、図表3)、三菱東京UFJ銀行の2006年度から2014年度までの国債保有残高の推移(134頁、図表4)、三菱東京UFJ銀行の保有国債の残存期間別残高についての2006年度から2013年度までの推移(135頁、図表5)

が掲載されています(下表は同論文の図表3、図表4、5の三菱東京UFJ銀行の部分を引用したものとなります。)。 

 

 都市銀行の国債保有残高.png

 

国債残高.png 

 

 保有期間.png

 

三菱東京UFJ銀行の国債保有残高は、2008年の20兆円から2009年の35兆円に急増後、2011年に43兆円まで増えていました。それを減らしていただけのことで、マイナス金利導入が直接の理由であったわけではないことは明らかなことです。

 

ちなみに、表からは 2014年度までの国債保有残高の状況しか分かりません。それ以降はどうなっているのかが気になるところですが、   

三菱東京UFJ銀行の有価証券報告書と半期報告書から 2015年以降の国債保有残高が確認できます。

それらからは、

      2014年9月末    33兆1943億82百万円     

      2015年3月末    28兆9558億92百万円 

      2015年9月末    24兆4244億04百万円

であったことが分かります。さらに減少させていることが分かります。

 

マイナス金利導入の発表は 今年(2016年)1月29日のことで、昨年(2015年)ではありません。

そんなことは分かっているはずなのに、マイナス金利に絡める記事に仕立て上げとは どういうことなのでしょうか。

 


コンビニATM不正引き出し、なぜ犯行状況の正確な発表がないのか [困惑]

先月15日に、セブンイレブンなどのATMから現金が不正に引出された件で、警視庁が今日、東京都荒川区で引出した容疑者1人を逮捕したということだそうです(NHK NEWS WEB 2016年6月6日「ATM不正引出しの疑いで男1人逮捕」) 。
 
   
今回のATM不正引出しは、
   
南アフリカの銀行が発行したクレジットカードのカード情報が不正使用され、クレジットカードのキャッシングとして、17都道府県の、セブンイレブンやファミリーマートなどの ATMから多額の現金が引き出された
     
ということになります。
         
被害総額は、事件当初は 14億円と報道されていましたが、読売新聞が 「20億不正引き出し」と報じたりするため 混乱しますが、引き出された金額は、
   
  セブンイレブンに設置されたセブン銀行の ATM から  14億4000万円
    
  ファミリーマートに設置された ゆうちょ銀行のATM から 約2000万円
     
  ファミリーマートほかに設置された イーネットのATM から 4億円以上
    
ということで、18億6000万円が被害総額ということになります(朝日新聞DIGITAL2016年「ATM不正引き出し、首都圏に集中  ファミマでも被害」 YOMIURI ONLINE 2016年6月2日「ゆうちょ銀行などのATMも被害… 不正引き出し」、NHK NEWSWEB 2016年6月1日不正引き出し 別コンビニのATMでも4億円余被害」)。
   
分かっていながら、なぜ読売は「20億円」などどいう表現するのでしょう。
   
被害額が上積みされることを予告しているのでしょうか。ありえない話ではなさそうです。
    
     
   
今回の件では、17都道府県で被害が発生したということですが、朝日新聞の記事によれば、
    
被害総額18億8000万円のうち、
 
東京都内       約5億8000万円
    
神奈川県内    約4億3000万円
 
埼玉県内       約2億円
 
千葉県内       約2億円
   
だということです。 
     
東京都、神奈川、埼玉、千葉で 計14億1000万円なので、
 
それら1都3県の被害額が 被害総額に占める割合は 77.4% です。 
                     
   
事件から半月経って、調査の結果「わかった」というような情報ではないでしょうに。
   
 
ATMの不正引き出しは、1回の引出し金額を10万円から5万円に引き下げるということばかり報じられていますが、同じことが起きた際に、被害額が半分になるというだけのことです。
   
1つのカードで 70万円を下ろしたりしていますが、キャッシングの貸出枠 はないのでしょうか。疑問点はいろいろあります。
 
そのうち全容は明かになるはずです。何を隠す必要があるのでしょう。