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建築物の完了検査実施率(その2) [調査]

(今日は昨日の続きです。)

検査済証のない建築物に係る指定確認検査機関を用した建築基準法適合状況調査のためのガイドライン」から、

平成10年(1998年)度の完了検査率が 38 % であったことと、同年度以降の完了検査率は、分かりましたがそれ以前の完了検査率は どの程度だったのでしょうか。

「低かったため載せないのだろう」との予想はできるのですが、性分なのでしょう。

それをはっきりさせたいと思いました。

 

国交省のホームページでは見つけることができませんでした。

キーワードを変えて いろいろ検索してみたところ、建築基準法に基づく完了検査実施率の向上に関する研究」という題名の増渕昌利氏の博士論文に、1965年(昭和40年)から2010年(平成22年)までの完了検査率が掲載されているのを見つけることができました(同論文40頁)。

(下のグラフは同論文40頁の図3-2 を引用したものとなります。) 

 

(論文で使われている 「みかけの完了検査率」とは、当該年度の確認件数を分母に、当該年度に完了検査済証拠交付された件数を分子に算出する。」とありますので(同論文37頁)、国交省がガイドラインで使っている「完了検査率」と同じものであることになります。

日本建築行政会議という団体が、「現在採用されている完了検査率は、当該年度の確認済証交付件数を分母に、当該年後の検査済証交付件数を分子にして算出した値である。概算であるために少ない労力で算出できる利点があり、検査率が低い時点でのおおまかな方向性を捉えるには有効な指標である。検査率が高くなると、子数となる検査済証交付件数が母数である確認済証交付件数の個々に対応したものではない為、確認済証交付件数が急激に減った場合に100%を超える等、その指標としての有効性が損なわれる」弱点を指摘し、「みかけの完了検査率」と呼んだということて、論文中では国交省の言う「完了検査率」のことを、「みかけの完了検査率」と呼ぶことにしているということになるようです。)

確認件数と「みかけの完了検査率」の推移.jpeg 

同論文40頁では、「完了検査率」の推移について、

・  1965年(昭和40年)度の 完了検査率 は26.9%。

・  その後、確認件数の増加と完了検査率の低下が続き、1972年(昭和52年)度には 17.7%、1973年(昭和53年)度は 18.3%にまで低下した。

・  その後、確認件数が増減を示す中で 完了検査率 は漸増に転じたものの 1998年(平成10年)度で 44%に過ぎなかった。 完了検査率がようやく50%超 となったのは 2000年度を待たければならなかった。

・  以降、2001年(平成13年)度にかけて 完了検査率 が急上昇していが、この間は建設省(現国土交通省)が定め建築物安全安心推進計画の「重点実施期間」と一致する。2006年度には約79%に向上した。

と要約されています。

 

最後に、どうして、「完了検査率」が 40%程度から90%まで 急増しているのかですが 、同論文の要旨 には、

「阪神・淡路大震災で多数の違反建築物が被災した教訓から、" 申請主義 " であった建築行政が「全ての建築物の適法性確保」の為に「完了検査の全数実施」を目標に掲げ、年度ごとの完了検査実施率を数値目標に掲げた" 受検督促 "に転換した結果、全国の完了検査実施率が約90%に向上した (以下略)」

と述べられています。

まずいことが阪神淡路大震災で 露見したからということのようです。

 

 


所在調査は 北米が増加 [調査]

外務省の「所在調査」について、産経ニュースの記事(2015年12月14日「昨年の邦人援護、2万724人 過去10年で最多」)では、

多くの調査依頼は、戦前、戦後には北米や中南米に移民したとみられる邦人という。」

ということでした。

「所在調査」については、海外援助統計で、地域ごとの調査依頼の件数と人数を確認することができますが、

地域ごとの調査依頼の人数の年次推移をまとめてみると下表の結果になりました。 


所在調査 地域ごと年次推移.jpg 
 
北米と中南米での増加は確かですが、北米での、ここ7、8年の間の急増が見受けられます。
   
公益財団法人海外日系人協会によると海外日系人数は、
     
1位 ブラジル  1,600,000人
   
2位 アメリカ   1,300,000人
    
3位 ペルー       100,000人
    
4位 カナダ       989,000人  
    
という順となるようです(同協会ホームページ「日系人について知ろう」のページ参照)。 
      
 
  
産経ニュースの記事によると、所在調査の多くの調査依頼が北米や中南米に移民したとみられる邦人についてということでしたが、
 
中南米は増えていると言っても多少の増加に過ぎません。 
 
北米の調査依頼増が圧倒的です。 しかも、ここ7、8年の間での急増で、中南米と北米では傾向が明らかに違っています。
    
中南米と北米とを 一括りにした説明など出来なさそうで、産経ニュースの記事の説明は ちょっと違うような気がしました。 
    
    
深堀りしてみたら、おもしろそうなことが分かるような気がします。   
   
  

出帰国記録 と所在調査についての弁護士会照会 [調査]

父親の葬儀には外国から帰国して出席したが、再び海外に出て行ってしまった息子について、家裁に不在者財産管理人を選任してもらい、父親の遺産について遺産分割をしたいと考えられている方からの相談を受けました。
       
         
息子が どこの国に行ってしまったのか皆目 分からないということなので、不在者であることの調査を兼ねて、
   
① 入国管理局への日本人出帰国記録の弁護士会照会(平成26年9月法務省入国管理局「弁護士法第23条の2第2項の規定に基づく弁護士会からの照会について(案内)」参照、また、「出入(帰)国記録等に係る照会に当たっての留意点」を参考にしてください。)
  
と、
 
②  外務省への所在調査の弁護士会照会(外務省HP「所在調査について」、「調査申し込みのための必要書類(弁護士会)
   
をしなければならないことになるようです。 私も初めての照会で、わからないことばかりです。 
        
   
   
外務省の所在調査については、東京弁護士会調査室編「弁護士会照会制度〔第4版〕」148頁をみてみると、
 
「調査の回答には、照会文書発送後2~3か月の日時(場合によっては半年)を要します」
 

と書いてあります。

回答に時間を要するようなので、さっさと申立てなければいけないということです。

 

回答が返ってきてから、次の手続の選択ということになるため、長丁場 となりそうです。   

         

省令改正を 法令沿革一覧と官報 を使って調査 [調査]

(今日は、今月5日のブログ(「『法文データ』提供システム」の法令用語検索」)の続編となります。)
   
       
法令データ提供システムの法令用語検索を使い、「債権回収」という用語がどのような法令で使われているのかその使われ方を調べてみましたが、
    
経済産業省令の「独立行政法人中小企業基盤整備機構の産業基盤整備業務を除く業務に係る業務運営、財務及び会計並びに人事管理に関する省令(平成16年6月30日経済産業省令第74号)の第21条第2項第1号で、
                                            
債権回収業に関する特別措置法(平成 十年法律第百二十六号)第二条第三項に規定する債権回収会社
    
との誤記がされていることを 見つけてしまいました。
   
    
どこが誤りかと言いますと、「債権回収業に関する特別措置法」(平成十年法律第百二十六号)」どいう法律など存在しません。そこが誤りです。
 
     
「債権管理回収業に関する特別措置法(平成十年法律第百二十六号」としなければいけなかったのに、「管理」を落としてしまっています。
   
法文データ提供システムの法令索引検索を使って、検索窓に「債権回収業に関する特別措置法」と入力して検索してみれば、「該当するデータはありません。」と返っているはずで、容易に誤りがあることが確認できます。
       
   
「債権管理回収業」と表記すべきところ、「管理」を落としていることを見落として、「債権回収業に関する特別措置法」としてしまったのでしょう。
   
そんな単純な、ヒューマンエラーが起きたなどとは なかなか考えられることはありません。 
 
さらに、これだけの調査では調査不足です、と言うのは、もしかしたら経済産業の省令の法文は正しかったのに、総務省の法令データ提供システムに、省令を掲載する際に、誤ったデータ入力がされ、誤った結果が表示されているだけという可能性もあるからです。
    
    
なので、「独立行政法人中小企業基盤整備機構の産業基盤整備業務を除く業務に係る業務運営、財務及び会計並びに人事管理に関する省令」の省令の実際の記載がどうであるかを 調べないと調査は完璧ではないことになります
  
    
したがって調査の続行です。          
      
    
まずは、国立国会図書館の「法令沿革一覧」を使い、省令の制定日を調べないといけません。こちらは簡単に調査でき、平成16年6月30日に省令が定められたことが判明しました。
    
次は、官報での省令の第21条第2項第1号の箇所の確認です。
   
官報の検索について、知らない人が多いようですが、10年以内の法律、政令等の官報情報であれば、インターネット版「官報」で無料で検索可能です。
     
なので、今回の省令は、インターネット版「官報」の検索機能を使い、平成16年6月30日付官報を閲覧し、経済産業省令第74号を見つけだして、第21条第2項第1号の箇所を確認すれば よいことになります。
   
その調査結果ですが、平成16年6月30日付の経済産業省令第74条は見つけることができましたが、肝心の 第21条第2項には、第1号となど 規定されていませんでした。
 
省令制定後の、いずれかの改正の際に、第21条第2項第1号は加えられることになったことになります。
    
こうなると、「法令沿革一覧」の省令の改正日を手掛かりとして、インターネット版「官報」を使い、どの改正によって加えられることになったのかを見つけ出さなければならないことになります。
   
お金は掛かりませんが手間がかかって、意外に難儀な調査となりました。
      
    
調べるのが嫌になってきた省令の3回目改正(平成17年7月29日経済産業省令第73号)の中に、第21条第2項第1号をやっとのこと発見しました。
   
そこには、
 
「第二十一条第ニ項中「一時貸付金の貸付けに係る事務に関する」を「次に掲げる」に改め同項に次の二号を加える。
   
一  機構が債権回収業に関する特別措置法(平成十年法律第百二十六号)第二条第三項に規定する債権回収回収に対して委託する共済金の…(以下略)
 
と書いてあります(下図は官報の該当個所の引用)。
 
官報20050729(3).jpg 
      
 
平成21年7月29日の改正時の際すでに、誤記をしていたことを確認できました。     
    
   
何回も何回も、読み合わせをしているのでしょうが、それでもこんな見落としがあるんですね。   
   
     
     

教科書問題-謝礼を提供した会社の教科書に採択を変更した件数 [調査]

教科書会社の謝礼問題で、文部科学省が31日、謝礼提供の対象となった公立小中学校の教員ら3367人のうち、25%の839人がその後、「調査員」などとして選定(採択)に関与していたとの調査結果を発表しました(読売新聞2016年4月1日「教科書問題、謝礼対象839人選定関与」)。
       
選定に関与した839人(採択地区協議会委員9人、採択地区の調査員など790人、市町村教委の課長・指導主事40人)のうち、88人が関与した29都道府県の88件の選定で、謝礼を提供した会社の教科書に切り替わったということです。
    
その内訳を知りたいと思っていたところ、読売新聞の3面に、謝礼を提供した会社の教科書に採択を替えた都道府県別の件数を図にしたものが こっそり掲載されていることに気付きました。
 
下図の左部分が紙面に掲載されていた図です。都道府県数は29、延べ件数は88 ですので、県名が書かれている 大阪府、北海道以下の 29の都道府県で、謝礼を提供した会社の教科書への採択が変更されることあったことになります。
    
ちなみに、愛知県では、謝礼を提供した会社の教科書に採択を変更した件数が 2件 あったということになります。
     
謝礼を提供した会社の教科書に採択を替えた件数 (2).jpg 
   
文部科学省の公表した内容を確認したいところですが、見つかりません。 
     
馳浩文部科学大臣が平成28年4月1日に行った記者会見において、馳大臣は「教科書発行者による自己点検・検証結果の報告を受けた各教育委員会等における調査結果の公表」を昨日行いましたと言っています(馳浩文部科学大臣記者会見映像版参照)。
   
なのにおかしなことですが文部科学省の、平成27年3月31日の報道発表 には「教科書発行者による自己点検・検証結果の報告を受けた各教育委員会等における調査結果の公表」は見あたりません。
 
文部科学省のホームページの検索機能を使って検索をしてみても、関係しそうな資料が出てきません(「教科書発行者による自己点検」をキーワードとした検索結果参照)。 
    
   
文部科学省は、記者クラブ加盟社に公表すれば、公表したことになるとでも考えいるかもしれませんが、誰かその考えたを糺してあげていただけないかと思います。
                         
     
   
愛知県では、文部科学省の公表の前日であった平成28年(2016年)3月30日に、 
 
愛知県教育委員会が、謝礼をもらった129人のうち、同委員会が懲戒等の処分権限を持たない48人の教員と退職者12人の計60人を除く、69人全員を処分した。
 
処分した者のうち 2人は戒告の懲戒処分で、残り67人は内部処分(文書訓告9人、口頭訓告29人、厳重注意29人)である。
   

と報道がありました(中日新聞2016年3月30日「教科書謝礼、2校長を戒告  愛知県教育委員会が計69人を処分」)。

(なお、今年1月30日のブログ「愛知県における検定中に教科書を閲覧した教員らの人数」に書いておりますが、中日新聞は金品を受け取った教員を 156人 と報じていますが、 こちらでは129人で人数が 27人減っています。) 

記事には「愛知県教育委員会が懲戒処分(戒告) とした教員2名は教科書採択に携わっていたためであったから」と書いてあります。

と言うことは、残り67人ついては教科書採択に携わっていなかったことになりそうですが、全体では謝礼をもらった人の4分の1が教科書採択に関与していたということでしたので、愛知だけが69人のうち2人だけしか教科書採択に関わっていなかったなんてことはないはずです。

 

ありました。毎日新聞2016年3月11日「検定中教科書閲覧 愛知県教員ら129人が謝礼受ける」の記事には、

愛知県教育委員会は、19人が選定用資料を作る調査員、4人が協議会委員として関与、謝礼を受けた会社の教科書に変更したケースが1件

と書いてありました。中日新聞の記事は手心か。

       

愛知県の場合、謝礼を提供された会社の教科書に採択を替えた件数は2件でしたが、

懲戒処分となったお二人は、この謝礼を提供された会社の教科書に採択を替えた2件に、それぞれ関与されていたからではないでしょうか。

 


地裁ごとの 民事訴訟事件(第一審)の予納郵便切手の額 [調査]

各地方裁判所が 民事訴訟事件(第一審)の予納郵便切手の金額 をいくらに設定しているのか、

裁判所のホームページの「各地の裁判所」のページを使って調べてみました。

訴訟提起時の予納郵便切手代が、名古屋地裁では 6,740円なのですが、それが東京地裁では 6,000円、大阪地裁では 5,000円と、1,000円、2,000円と違っています。ほかの地裁は実際、どうなっているのだろうかという素朴な疑問がその動機です。

 

下表がそのまとめです。

郵便切手により予納された場合についての整理となりますが、N/A とあるのは「該当なし」、つまり、ホームページ上で、予納郵便切手の金額等が公表されていないことを表しています。

 

電話で問い合わせくださいということなのでしょうが、地裁の半分以上が 予納郵便切手の金額すら ホームページで公表をしていないことには驚きです。 

 

地裁HPにおける予納郵券の記載.jpg 

 

なお、見落としによる間違いもあろうかと思いますが、間違っている箇所があることにお気付きになられ方は ご指摘のほどよろしくお願いします。 


パスワードチェッカーの比較 [調査]

金融機関から口座のパスワードの変更依頼が来ていたので、パスワードをどう変更するかを検討してみました。

 

パスワードの強度を判定してくれるソフトウェアのことを「パスワードチェッカー」と言いますが、

古くからマイクロソフトのものがありました(ITpro2007年7月23日「パスワードの強度を今すぐチェック, マイクロソフトのパスワード チェッカー」参照)。 

久しぶりに、キーワードを「パスワードチェッカー」としてインターネット検索をしてみたところ

マイクロソフトのほかに、カスペルスキー、、インテル、アジャイルという会社 のもあり、どう判定をしてくれるか 比較をしてみました。

適当に、パスワードを適当に 「 K2xy34fk 」としてみて調べてみました。

試してみた結果は、

   マイクロソフト           普通 (4段階の2段階目)  

   カスペルスキー         12年

   インテル                 約 20.74分

    アジャイル              13 years   

という結果で、開きが結構あるとの感想を最初、持ちました。

 

カペルスキーのパスワードチェッカーのページでは、「一般的な家庭用コンピューターを使って … 次の期間に解析されてしまいます」という説明がしてあり、

その下の部分に、「Mac Book Pro  12年」、「Conficker botnet  5時間」、「Tianhe-2 Supercomputer  2分」と書いてある 棒グラフの比較表が付けられていることに気付きました。

家庭用コンピューターなら パスワード解析に 13年程度かかるが、

スパコンなら2分、ボットネットを使われていると5時間。

パスワード解析に使うコンピューターの性能次第で、解析時間はピンキリだというわけです。

 

なので、インテルの 約20分も、スパコンレベルに近い高性能なものを使ってパスワード解析すれば 約20分で解析できると言っているだけだということがやっと理解できました。

カスペルスキー、インテルなどのパスワードチェッカーの結果は 矛盾しているわけではなく、どのレベルのコンピューターを使って解析することを前提にしているかで生じた相違で、前提条件が違っているから、結果が違っているだということになります。

解析ツールとなるコンピューターの性能がスパコンレベルの高性能なものなら、「K2xy34fk」というパスワードなんかであれば ほんの少しの間に 破られてしまう程度だという理解をしておけといういことになるのでしょう。 

 

ちなみに、「K2xy34fkK2xy34fk」と、「K2xy34fk」を2回続けたパスワードにしてみて、再度試してみたところ、

カペルスキーでは スパコンでも 10000+ 世紀 となりました。

インテルのでは 317048878年 という結果でした。

(大小の英数字と数字を組み合わせるという前提で、) パスワードを長くしてみるのが、強度を上げるために手っとり早い方法となるようです。


愛知県における 検定中の教科書を閲覧した教員らに人数 [調査]

検定中の教科書を教員らに見せ金品を渡していた問題について、

文部科学省は今月28日に 各都道府県教育委員会に閲覧した教員らのべ人数を連絡をしたということです(マイナビニュースで引用されている共同通信2016年1月28日「全都道府県の教員が閲覧 - 検定中の教科書」、日本経済新聞2016年1月29日「検定中の教科書、全都道府県で教員閲覧  採択へ影響調査」)。

日経新聞の内容を加味すると、

過去4年間に計12社が 教員らのべ 5,147人 に閲覧をさせていた、

うち10社がのべ 3,996人 に謝礼を渡していた

ことになるようです。

 

今朝の中日新聞県内版には、

愛知県では「採択替え」が17件あり、うち14件について教員らに謝礼が渡されていた

との記事が掲載されていましたが、

金品を受け取った教員らの数が 156人 とは書かれているものの、検定中の教科書を閲覧している人数が書かれていません。

閲覧した教員らのうち、何人が金品を受け取っているのか、その人数を記事に書いて当然ではないかと私は思うのですが、読者はそんなことには興味も関心もないなどとでも思っているのでしょうか(中日新聞2016年1月30日「8割超が謝礼提供社に変更 県内小中学校、教科書『採択替え』」 )。

 

しかたがないので、他紙をあさってたところ、

謝礼を受け取った教員らののべ人数が多いベスト3は、 北海道489人、東京380人、大阪339人 で、

100人以上は11都道府県あることが分かってきました(北海道新聞2016年1月29日「検定中教科書の閲覧問題  北海道内教員ら489人に謝礼」)。

 

元々、謝礼を受け取った教員らが何人であるのか。その元ネタは、文部化学省が各都道府県教育委員会に送ったものです。

中日新聞が記事で書いてくれないでも、愛知県における検定中の教科書を閲覧した教員らののべ人数など、すぐに分かるはずだと安易に思って 調べてみることにしました。

各地で発行されている地方紙のほかに、47都道府県を網羅する NHKの放送局のローカルニュース が強い味方になるはずなので、楽勝だと 高をくくって いました。

 

その結果ですが、そんな甘いものではありませんでした。

愛知県の閲覧した教員らののべ人数は結局分からずじまいでした。

ついでに調べることとなってしまった、他府県の検定中の教科書を閲覧した教員らののべ人数も、謝礼を受け取った人数も、半分以上、不明なままです。

また、100人以上教員らが謝礼を受け取った都道府県は11あるということですが、9つしかわからず、残り2つはわからずじまいでした。

 

下表が、1時間以上を掛けた調査の成果ですが、「何やってんだか」という残念な調査結果でした。

 

記事にならなければ調べようがありません。 これ 記者クラブの弊害 ? 

 

 検定中の教科書.jpg


「ニセ電話詐欺」は全国区? [調査]

振り込め詐欺に代表される特殊詐欺を表す言葉として、中日新聞は「ニセ電話詐欺」という用語を使っています( 例えは、2015年12月10日と2014年10月25日の記事。)。同紙の読者である私は「ニセ電話詐欺」が全国的に使われている用語であると てっきり思っていました。     

ですがそれは誤解で、「ニセ電話詐欺」は ローカルな表現 であるに過ぎないみたいです。

 

「ニセ電話詐欺」で、警察庁警視庁の検索サイトで検索しても、 ヒットしません。

お膝元の愛知県警の検索サイトで検索してみても、「ニセ電話詐欺」で32件のヒットはあるものの、数点の広報用の配布物で「ニセ電話詐欺」という言葉が使われていたというだけです。 

県警の「『振り込め詐欺(恐喝)』」にご注意」のページを読んでみても、「今後は特殊詐欺のことを『ニセ電話詐欺』と呼ぶようにします」などといったことなど一切、書かれていません。

むしろよく読んでみると、愛知県警では、

「振り込め詐欺(恐喝)」と「それ以外の特殊詐欺」の総称として、「特殊詐欺」 

という用語を 今までどおり 用いることにしていることが分かります。 

 

「ニセ電話詐欺」をキーワードにしてグーグル検索もしてみましたが、その結果は、

茨城県警が平成26年7月1日から「ニセ電話詐欺」と呼ぶようにしたとか、福岡県警が「ニセ電話詐欺」という言葉を使っているようだ 

ということぐらいしか分かりました。

 

「ウィキペディアの「振り込め詐欺」の解説を読んでみると、特殊詐欺のことを、福岡県警と茨城県警が「ニセ電話詐欺」と呼んでいる一方、鹿児島県警は「うそ電話詐欺」と呼んでいるそうです。

鹿児島県警は、特殊詐欺を、確かに、「うそ電話詐欺」と呼んでます。 

あっ、山口県警も鹿児島に追随しています。

「ニセ電話詐欺」と「うそ電話詐欺」は、どちらが勝つのでしょう。

戦国時代のような様相を示しています。

 


動産先取特権に基づいた動産競売の申立て [調査]

昨日、地裁に動産売買の先取特権に基づき動産競売の申立てをしました(大阪地裁HPに申立書ひな型がupされていますので、どんな申立てなのかはそれを見てみてください。)
   
平成15年の民事執行法改正によって、動産売買の先取特権を使った債権回収がやり易くなると 喧伝されてましたので、
 
一回は申立てをしたいと思い続けていたのですが、 
   
 ご縁が全くありませんでした。
          
     
そんな思いを持っていた私は、当然、体験意欲旺盛なので、
    
申立ての際に担当書記官に、何件ぐらの申立てがあるのを尋ねてみました。
 
返事は、
 
今年は先生のが初めて、昨年はなかった
 
というものでした。 
    
 
そんなもんかなと想像してはいたのですが、やはりそうなんですね。
 
私は 
   
「ほとんどの場合、物は転売され、売買代金の決済も済んでしまっているであろうから、先取特権を使える場面なんて、本当にあるのだろうか」
     
と思っていましたが、申立件数からは想像していたとおりのようです。
      
   
債権回収の可能性があるのであれば、申立てだけはしておいて、見込みがないのであれば、取下げるという行動を採るでしょうから、申立件数はそれなりにあるはずです。
   
申立件数自体が、ほとんどないということは、可能性すらないため申立てがないことを示しています。
     
                            
実際、全国的にはどうなのでしょう。
    
動産競売開始申立事件の申立件数の年次推移ですが、 
 
2015年3月発行新民事執行実務No.13に、内田義厚早稲田大学教授(前東京地方裁判所判事)の「論説・解説 改正担保・執行法施行10年の評価と課題」(同書3~14頁)という論文の中でデータを掲載されています。
   
 
下表は、内田教授の論文中に掲載されている、全地裁における申立件数(=新受件数)と、東京地裁のそれを、対比して整理したものですが、表から明らかなことですが、
   
動産競売開始申立事件の件数は、
    
東京地裁でも年に数件、全国では年100件程度
 
というわけで、ほとんど申立てがないことを表しています。
   
動産競売統計.jpg 
    
   
動産先取特権に基づいた動産競売の申立ては 全国的に見てもレアで、
   
ネット上では 申立てについての説明をしているホームページはあるものの、
   
体験した人は余りいないため、体験記が書かれた記事が見つからないということのようです。