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やはり不動産競売事件も激減 [検討]

久しぶりに動産執行の申立てをするため、執行センターに出向いたところ、不動産競売係の島が一つ、無人でした。

公示・閲覧コーナーには一人しか人がいません。  

金融機関とは縁がないため、不動産競売の申立てなど数件しかしたことがありませんでした。そのため不動産競売の動向には関心など持ってませんでしたが、相当減っていることは間違いなさそうです。

裁判所のホームページにアップにされている、平成12年から27年の司法統計(民事・行政事件編「4 民事・行政事件数  事件の種類及び新受,既済,未済  全地方裁判所及び地方裁判所別」)を使い 全国と東京地裁管内と名古屋地裁管内の不動産競売事件(強制執行と担保権実行の合計)の新受件数について年次推移を調べてみました。 

下図は平成12年の不動産競売件数を100%として、年次ごとの不動産競売件数が何%になっているかをグラフとしたものですが、全国、東京地裁、名古屋地裁とも 激減していることが一目です。

不動産競売 推移.jpg


名古屋地裁ですと、平成12年の2,276件が平成27年には2058件に半減。

全国と東京地裁では、

全国は 平成12年の76,852件が 平成27年では 25,402件へと 3分の1 に減っています。

それは東京地裁も同じで、平成12年の6,648件が平成27年には 2,243件と、3分の1です。


平成27年の東京地裁の2,243件は、平成12年の名古屋地裁の不動産競売件数とほぼ同数です。 

その程度しか東京でも事件数がないことに、結構、驚きました。

      

法制審の民事執行部会は、暴力団を不動産競売事件から排除する中間試案原案をまとめたということですが(毎日新聞2017年7月30日「法制審議会:組員ら競売から排除  罰則も…中間試案原案」)、暴力団排除は制度活性化のためではないようです(民事執行部会第3回会議(平成29年1月13日開催)「部会資料3」参照)。

そんなことよりもまずは活性化策を考えるべきではないのかと思ってしまいました。

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蓮舫氏の重国籍、何が問題? [検討]

民主党の蓮舫代表の二重国籍問題は、興味深い憲法上の論点を提供してくれているのではないかと思っていますが、報道では、憲法より下位の国籍法レベルでの議論に終始しているようなので、隔靴掻痒の感があります。

 

無問題との論調であろうと予想された、先週19日の朝日新聞デジタルの「重国籍、何が問題?どう解消?蓮舫氏の戸籍開示で注目」には、キラリと光る指摘がありました。

それは、「国会議員については、公職選挙法が日本国籍であることを求めているが、外国籍を持つ人を排除する規定はない。国会議員から指名される首相についても国籍に関する規定はないが、外交官は外国籍がある人を認めていない。このため、内閣のトップとして外交交渉にあたり、自衛隊の最高指揮官でもある首相に外国籍があることは問題との意見もある。名城大の近藤敦教授(憲法)は「首相や大臣にふさわしいかどうかは、有権者が投票する時に考える問題だ」と指摘する。」という部分です。

 

「二重国籍者の公務就任が国民主権の観点から問題はないのか」

という問題の輪郭がうっすら垣間見えています。

名城大の憲法の教授は、「首相や大臣にふさわしいかどうかは、有権者が投票する時に考える問題だ」と言っているとのことですが、どのような文脈で言っているのか、また、何を言いたいのかも不明ですが、臭い消しなのでしょう。

 

「外国人の人権(参政権)」との論点とは違う、「二重国籍者の参政権」という未知の論点についてどのように考えたらよいのでしょうか。

憲法学者の知見に触れたいところですが、報道ステーションのコメンテーターの首都東京大学の木村草太教授も、早稲田の長谷部恭男教授も何も言っていないようです。

 



「 獣医 不足 朝日新聞 」でググってみると [検討]

加計学園問題のテレビ新聞報道を見ても、獣医師が不足している現状にあるのか、一番の肝となりそうなことが分かりません。

やはり、どうは言っても朝日新聞が一番掘り下げた報道をしていたであろうと推測されるので、「獣医 不足 朝日新聞」をキーワード、「2016年12月31日より前」を検索期間としてみて、グーグル検索をしてみました。

その検索結果画面は これ となります。


2010年(平成22年)6月17日の鈴木暁子記者


という署名記事が劈頭に出てきました。ニュース検索ではこの記事は出てきませんので、「GLOVE」と呼ばれている日曜版の記事ということだったため、運良く(運悪く)、網に引っ掛かってくれたようです。


記事では、

「朝日新聞の調べでは、獣医師の定員を定める20都道県のうち12の道県で定員割れとなっていた。北海道で51人不足し、岐阜県で18人、鹿児島県で10人、新潟県で7人足りない。薬剤師や臨床検査技師が獣医師の仕事の一部を肩代わりしている県も複数ある。」

と、公務員獣医の不足を指摘しています。


獣医師は 公務員に関しては不足しているようですが、記事が一本だけでは、断定できません。


検索結果を、順番に見ていくと、「唐木秀明 著-1998」

獣医学教育の現状 現在危機的な状況にある 獣医学 ... - J-STAGE Journals

というPDFファイルを見つけました。
1998年の日本獣医師会誌に、唐木英明現東大名誉教授が投稿した「獣医学教育の危機」という論説で、日本科学振興機構(JST)のジャナールとして保管されているもののようです。
論説の内容は、
獣医学科は質の高い学生を集めているが、教育環境は良くなく、教育水準は国際的なレベルに及ばなないため、獣医師は世界水準に及ばないことになっている
という辛口の指摘がされたものでした。

    

唐木英明名誉教授は、今回の加計学園の件 について何か語っているだろうかとの関心が湧き、検索してみたところ、皮肉なことに、くだんの朝日新聞の WEBRONZA に 今月5日、


と題した論説記事を発表されていることが分かりました。

 

いやらしいことに記事のリード部分で、唐木教授が「東大定年後は加計学園関連の倉敷芸術科学大学長を務めた」ということが触れられています。でも、20年前も前から獣医師会の閉鎖性を指摘していた唐木教授が、加計学園に対し忖度したことを述べられているなどという心配はなさそうで、論考は信頼できるものであろうことが予想できます。

是非、読んでみたくなり、 1ヶ月だけRONDANの講読をすることにしました。


記事では、


過去半世紀にわたって獣医学部が設置されなかったことの理由の一つが、獣医師会が獣医師の権益を守ること、とくに獣医師の過半数を占める小動物獣医師の過当競争を避けることと、既設の市立獣医科大学の権益を守るために、獣医師の数は一人たりとも増やさないという方針だったからである

との指摘し、

2010年に愛媛県と今治市が獣医学部設置の申請をした時には、日本獣医師会は過剰ともいえる反応を示し、「獣医学教育課程が、『特区』に名を借りた『地域おこし』や特定の一学校法人による『大学ビジネス拡大の手段(場)』と化すようなことがあってはならない」と批判をした

ということが触れられています。


医師の需給関係の調査は、これまで1回、唐木教授が責任者を務めて 2007年に調査が行われ、その調査結果から、小動物獣医師はほぼ需給のバランスが取れているが、家畜臨床と公衆衛生を担当する獣医師は今後も不足するとの予測された。

その原因の一つに、高収入が見込まれる大都市の職域に獣医師が流れるという医師偏在と同じ要因が指摘された。


ということです。ですが、

2007年の調査での予測では、卒業生の数が変わらないことが前提とされていたが、入学定員を厳守したところ卒業生が大幅に減少することになった。

獣医学の入学定員は930名だが、930名の入学定員を厳守すると、国家試験合格率は約8割なので、獣医師の年間供給者数は750名程度となってしまい、これまでも不足していた家畜臨床や公衆衛生分野の獣医師がさらに減少し、社会的混乱を招く恐れがあった。

その対策としては、既存の大学の入学定員を少しずつ増やして合計1200名にすることも考えられるが、その場合には教員も施設、設備も増やさなくてはならず、現実的ではない。そこで出てきたのが私立大学を設置する方向だった。教育改善の努力を続けていた関係者の間で具体的な大学名は出なかったが、賛否は別として、平成19年から15回にわたって獣医学部の新設を求めていた愛媛県今治市が、関係者の念頭にあったことは間違いない。このような背景事情があったことは、「極めて薄弱な根拠の中で規制緩和が行われた」と発言した前文科事務次官も当然知っていたはずである。

ということが述べられています。

  

定員の事実上の水増しで凌いでいるということなど、誰も何も触れないのはどういうことなのでしょう。

     

論説の読む限りでは、加計学園が獣医学部を新設することとなったのは順当な話しであったとしか思えないという感想を持った。



東京地裁の勾留却下率は いつの間にか 8 % 超 [検討]

平成26年6月15日のブログで、

さいたま地裁の勾留却下率が急上昇していて、却下率が10%超 になっている

と報じた朝日新聞デジタルの記事を取り上げました。 

続報もなく 記事も1年半ほどで 跡形もなく消えてしまったので、椿事が突発的に起きたのだろうと思っていたところ、昨年(2016年)10月31日の産経WESTの記事「勾留請求却下率低い大阪  弁護士『いまだに人質司法』、検察『請求厳選した結果』」を見つけ、読んでみて 驚きました。

記事は、大阪地裁の勾留却下率が全国平均以下だという どうというものでも内容のものでしたが、記事に添えられた グラフの内容がすごい。

下のグラフがそれで、平成17年(2005年)から平成27年(2015年)までの11年間における、 東京、大阪、名古屋、福岡、仙台 の地裁(簡裁?)での勾留却下率をグラフ化したものです。

 

グラフは、   

東京での勾留請求の却下率は 平成17年(2005年)以降、全国平均の ほぼ倍 を常に保っている。

平成17年の1.5% が 平成22年には 4%に達し、平成24年には6%、それが 平成27年には 約 8.5% になっていること 

を示してます。 

 「勾留請求却下率低い大阪」 産経WEST20161031.jpeg

 

東京では そんなことになっていることを全く知りませんでした。 

司法統計年報では  全地裁、全簡裁の 勾留の発付数、却下数の統計しか掲載されていないため、各地の状況は分かりません(司法統計年報刑事編 平成27年「第15表 令状事件の結果区分及び令状の種類別既済人数-全裁判所及び全口頭・地方・簡易裁判所」参照)。

記事のグラフには「※ 最高裁の資料を基に作成」と書かれていますが、資料とは内部資料なのでしょうか。

グラフには「勾留請求の却下率(地裁・簡裁)」との標題が付けられていますが、勾留却下率について (地裁・簡裁)っていうのは どういうことを表しているのでしょう。

勾留却下率については、前掲の平成27年の司法統計年報を使って、全地裁での勾留却下率と、全簡裁での勾留却下率を計算が可能です。

勾留却下率は、 勾留状の却下の件数 ÷ (勾留状の発付(請求によるもの)の件数+却下の件数)×100 と計算できるので、地裁と簡裁 の勾留却下率を算出して見ると、

全地裁   6.27 % (≒2,838件÷(42,441件+2,838件))

全簡裁   1.49 % (≒1,051件÷(69,547件+1,051件))

全地裁・全簡裁合計

          3.36 % (≒(2,838件+1,051件)÷((42,441件+2,838件)+(69,547件+1,051件)) 

ということになります。簡裁の勾留却下率を勘案すると、勾留却下率は下がってしまうことが分かります。

なので、簡裁での勾留却下率を勘案していることを示す、「勾留請求の却下率(地裁・簡裁)」の標記をグラフにしている産経WEST の記事が信用できるものであるかについて疑問が生じてしまいました。 

 

関連したデータがないかグーグル検察したところ、少し古いですが、毎日新聞の2015年12月14日の 「東京地裁 : 痴漢で勾留、原則認めず 『解雇のおそれ』考慮」という記事を見つけました。 

記事では、次の具体的なデータが掲載されていました。 

2005年の東京地裁の勾留請求の却下は 389 件 (却下率1・5%)で、全国の却下件数の 5 割強を占めていた。14年には 約 3倍の 1171件 (7・8%)に増加したが、全国に占める割合は 4 割弱に低下しており、却下の動きが地方にも広がっているとみられる。

 

記事は、東京地裁における勾留却下率が 2005年(平成17年)は 1.5 %、2014年(平成26年)は 7.8 % ということなので、 産経WESTのグラフの「東京」の折れ線に、それらの数値をプロットしてみまと、矛盾はありません。 

産経WESTが 東京地裁の勾留却下率を示しているのだと善解してあげれば、記事が間違いとまでは言えません。

グラフの標題を (地裁) とすべきところ、(地裁・簡裁) と間違えちゃったということなのでしょう。 

 

話は変わりますが、東京地裁では痴漢は勾留しない 運用にした なんてのもすごいですね。

こんなことになっているなんて 皆さんご存じでしたか。


保釈率は やっとこさ 半分戻し [検討]

地裁における 勾留された被告人員 と 保釈率の1949年(昭和24年)から2015年(平成27年)までのデータを簡単に見つけることができたので、それを使い作表してみました。 
 
前回のブログ(2016年9月8日「保釈率10年で倍増」)の記事やグラフでは、簡裁を第一審とする刑事通常第一審事件における、簡裁での勾留状発布者人員と保釈許可人員を含んでいますが、今回のグラフやデータは簡裁分のそれを含んでいません。
 
そのため、例えば、平成17年の勾留中であった被告人の人員は、地裁分に簡裁分を含めると 8万2798人なのですが、簡裁分を含めないと 7万1552人 と開きが生じています。
   
とは言っても、大掴みの傾向として違いはないはずです。 
 
 
 勾留被告人員と保釈率年次推移(1949-2015).jpg
  
      
前回の記事は 表右側の 破線部分の期間を 記事の題材としていたと言えますが、
   
 
昭和24年(1949年)からの全期間の傾向からすれば、「保釈率は半分戻しとなった」というところでしょうか。 
 
 

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野畑証券の概況 [検討]

岡崎市の 野畑証券  という地場の証券会社が、 

メディケアインベストメント社発行のレセプト債を 59億円も販売していたことになります。

 

私は同じ愛知県に住んでいますが、野畑証券という名前など聞いたことがありませんでした。

今回、インターネットで確認してみたところ、野畑証券のホームページは当然ありましたが、今回の件のリリースが掲載されていますが、ありきたりのものに過ぎません(6月17日付「当社に対する東海財務局長からの業務停止命令及び業務改善命令について」)。

登記情報で確認してみると、代表取締役であった野畑裕司氏は昨年11月25日に取締役を辞任していて、同日に野畑響平氏が取締役及び代表取締役に就任していますが、野畑証券のホームページには何も掲載されていませんので、半年以上、ホームページは更新されていないようです。 

 

野畑証券は、新卒の求人のため、マイナビを使っていることが分かりましたので、マイナビでどのような求人広告をしているのかを見てみました(野畑証券(株)/新卒採用) 。

マイナビの情報は今月6月13日に更新されたものですが、そこに整理されている、野畑証券の会社の概況は、   

売上高 5億4,200万円(2014年3月期)  

従業員 39人

募集人数 1~5人

採用実績  2013年、2014年、2015年 各2名

             2016年 2名(予定) 

ということになるようです。

 

「売上高」が、たったの5億円なのかと思われたかも知れませんが、従業員39人で5億円以上 売り上げているわけで なかなかのものではないかと思います。

例えば、ユーレットの「業績ランキングから上場企業を探す」を使って、上場証券会社の売上高ランキングを見ることが可能ですが、上場証券会社の中には、売上高 5億4,200万円にも満たないところもあったりします。       

野畑証券は業績が悪くないどころか、ここ何年かは、毎年2名ずつ、新卒の採用をしているわけで、むしろ よかったのだと思います。

 

野畑裕司前社長は、マイナビのインタビュー記事の中で、自信ありげに、

「 弊社の場合、その対策のひとつが『独自性を備えた金融商品及びサービスの組成』です。

事業エリアである三河地域の顧客特性として資産運用に対して保守的な方が多く、ハイリスク商品よりも安定して分配金がもらえる元本の安全性が高い商品が好まれる傾向にあります。

しかし、低金利の時代にそうした既製商品・サービスはありませんでした。

そこで、私募債という形で投資金額を小額に留めた弊社オリジナルの金融商品を組成。現在では利益の半分程度を占めるまでに成長した、重要な収入源となっています。」

と、私募債を使ったオリジナルの金融商品を組成し、販売したことが、売上に繋がっていると述べられています。

 

ここに出てくる 「私募債」が、おそらく、 販売残高が約59億円と積み上がっている、「ナーシングケア債」というメディケアインベストメント社発行のレセプト債のことなのだと思われます。、 

「利益の半分程度占めるまでに成長した、重要な収入源となっている」ということですが、   

野畑証券の2014年3月期の売上高は 5億4,200万円なので、その半分は 2億7100万円。

単年度の手数料売上として 2億7100万円を売り上げるために、どれだけの額の 私募債を募集したのか知りたいところですが、それはどこにも出てきません。 

 

レセプト債に のめり込んでしまった野畑証券は、今後、撤退を余儀なくされることでしょうが、前途多難なことでしょう。

 


抗争を助長する工事は暴排条例違反 [検討]

愛知県公安委員会が、今月8日までに、愛知県内在住の指定暴力団の会長と組長、名古屋市内の建築会社の3者に対して、愛知県暴力団排除条例に基づいて、抗争を助長する工事をしないよう勧告をしたとのことです(朝日新聞DIGITAL2016年6月9日「窓に鉄板… 抗争助長の工事はダメ  神戸山口組系らに勧告」)。

抗争を助長する工事とされたのは、

建築会社が昨年9月、組事務所のスチールの窓を 鉄板20枚で補強したり、監視用カメラーとモニター一式の取り付け工事のことで、

このような暴力団の抗争対策工事に対する勧告は全国初だということだそうです。 

 

愛知県暴力団排除条例では、第14条(利益の供与等の禁止)において、

事業者が、情を知って、暴力団の活動を助長し、又は暴力団の運営に資することとなる利益の供与をすること(第1項)、

暴力団員が情を知って、事業者から前項の利益の供与を受けること(第2項)

をぞれぞれ禁止しています。この規定に該当したということになります。

 

愛知県暴力団排除条例についての Q&A集らしきものは見当たりませんが、警視庁のホームページの「東京都暴力団排除条例」Q&A がありました。

「東京都暴力排除条例」Q&A のQ13 では、どのような行為が「暴力団の活動を助長し、又は暴力団の運営に資することになる利益の供与」となるかを例示していますが、そこには、まさに愛知県公安委員会が勧告を出した、

・ 内装業者が、暴力団事務所であることを認識した上で、対立抗争に備えて壁に鉄板を補強するなどの工事を行う行為

も例示として挙げられています。 対立抗争に備えた工事を行う場合、それが 「利益供与」になるのは、とてもよく腑に落ちます。

 

反対に、「東京都暴力排除条例」Q&AのQ13では、事業者が利益供与違反にならないケースも挙げられていますが、その例示の中に、

・ 建築物等の維持保全など、適法な状態を保つために、暴力団事務所の工事を行う工事 

というものも挙げられています。 単に、建物の維持保全のための工事であれば、「利益供与」とはならないとの判断が、ここでは示していることになるようです。

 

さらに見ていくと、「利益供与」に当たるケースの中には、

・  警備会社が、暴力団事務所であることを知った上で、その警備サービスを提供する行為

が挙げられていますが、「建築物の保全維持のための工事」が利益供与にならないのであれば、防犯のためのセキュリティさーサービスも同じではないのかと思いますが、どうなのでしょう。

 

今回、工事の発注側の会長と組長 、受注側の建設業者の3者は、愛知県公安委員会が出した勧告に従うそうですが、もし、事業者らが勧告を無視した場合には どのようなことになっていくのでしょうか。

 

愛知県暴力団排除条例第26条第1項を見てみると、氏名又は名称及び住所が公表されることとなるようではありますが、そこまでです。

勧告に従わないことについて罰則規定はないため、いくら勧告に従わなかったとしても 罰則まで課されることということになります(同条例第29条、第30条)。 

 

しかし、事業者の場合、氏名を公表されることにでもなれば、取引先から取引を切られてしまい、廃業の憂き目を見ないといけないことになります。事業者には勧告に従わずに氏名を公表することを受け入れるなどとの選択などありえまん。

氏名の公表という不利益処分がありうるというだけで、業者への抑止効果としては十分で、罰則まではいらないということなのでしょうか。


浮気相手への探偵費用の請求、裁判所は認めるか ? [検討]

沢木文氏著「不倫女子のリアル」(小学館新書)を読んでいたら、「第6章 探偵は見た!」中に、

「ちなみに、浮気調査の場合、1日で証拠が押さえられれば、費用は内容により 10万~30万円程度、平均 3~5 日間の調査を行う。これを対価とみるか、安いとみるか。

「浮気の調査報告書を、不倫をしている夫に突きつけたら、不倫相手と清算して、妻のところに戻ってきたというケースもあります」

元の鞘に収まって、めでたしめでたしというのであれば、そのくらいの費用は決して高くないのかもしれない。

さらに、あまり知られていないが、浮気相手に慰謝料を請求する場合、探偵費用も別途 請求できる。

女性にとって泣き寝入りやスルーは禁物、打てる手は打ち、自分の人生に有利な" 武器 "は集めておくべきというわけだ。逆に、夫が品行方正で妻が奔放な場合、夫も妻の浮気の証拠を集めておくべきということになる。(178頁)

という記述がありました。 

 

浮気調査の費用の金額については どうとも思いませんでしたが、

いつの間にか、探偵費用を裁判所が損害として認めてくれることになったかのようなことが書かれています。

「浮気調査の探偵費用なんて、裁判所が相当因果関係がある損害だなんて認めてくれるわけない」というのが私のこれまでの理解でしたので、知識の詰め込み直しをしなければいけません。

 Westlaw.JAPAN で裁判例がどの程度あるのか、検索してみました。

 

「探偵費用」「探偵事務所費用」をキーワードとして検索してみたところ、

不貞の慰謝料200万円のほかに、探偵社に支払った調査費用125万7605円のうち100万円分の調査費用を相当因果関係にあると認めた東京地裁平成20年12月26日判決があるのを見つけました。

それだけでなく、私は確認漏れをしていましたが、その他に、探偵事務所に支払った調査料16万9290円を損害と認めた東京地裁平成22年7月28日判決というものもあるようです(「FPベンゴシによる不倫に 関するQ&A 」というサイトの「探偵費用を請求したい」の解説を参照ください。)。

 

しかし、探偵費用に支払って調査費用を、相当因果関係にある損害と認めている裁判例は、それらくらいしか見当たりません。

やはり、大勢としては旧来と変わらず、「認めない」ということに変わりはない模様です。

人騒がせな記述に振り回されましたが、勉強にはなりました。

 


不倫女子のリアル (小学館新書)

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  • 作者: 沢木 文
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2016/06/01
  • メディア: 単行本

 


年間 5 匹も、ウナギを食べていた記憶 [検討]

筒井功氏著「ウナギと日本人」を読んでいたところ、 

「平成12年、13年頃、日本人一人当たり 5匹のうなぎを食べていたことになる」
    
という記述がありましたが、データが示されていなかったため、真偽を確かめる機会がありませんでした。
     
    
そうしたところ、前々回のブログでも触れましたが、水産庁が先月5月に公表している「ウナギをめぐる状況と対策について」の、5頁にある「我が国におけるウナギ供給量の推移」に、ウナギの国内供給量の数値が示されていることが分かりました。
   
下表はそれをそのまま引用したものとなります。 
   
 
 ウナギの供給量.jpg
   
      
                      
ウナギの供給量のピークは平成12年(2000年)だったということですが、当時のウナギの供給量は 15万8094 トンだったということです。
       
ウナギの一匹の重さが分かれば、15万8094トンが ウナギ何匹に相当するかを計算することが可能となりますが、
        
ウナギ一匹の重さは 200グラム 相当であるようです(ウナギネット「うなぎサイズ規格」参照)。
        
ということですので、平成12年のウナギ供給量の15万8094トンは、ウナギ 7億9547万匹(=159,094,000,000g/200g)に相当することになります。
  
日本の人口は平成12年は1億2692万5843人でした(総務省統計局HP「1 人口総数 平成12年国政調査」)。
 
したがって、7億9547万匹/1億2692万5843人≒ 6.27 匹。
   
 
この結果からすると、日本人は 年間5 匹のウナギを食べていたことは間違いではないことになります。
  
むしろ 「6匹食べていた」というべきなのでしょうが、なぜ5匹なのでしょうか。
  
 
そんなに食べてた記憶などありませんが、もしかすると、居酒屋で食べていたかも知れない、突き出しとして出されていた「うまき」や「うざく」が それだったのではないのかいう気がしてきました。
       
  
では、最近は何匹ぐらいウナギを食べているのでしょう。
  
ウナギ供給量の平成27年概算値は 5万1139トン、平成27年の人口は約1億2700万人なので、
  
(51139×1000×1000g ÷ 200g)÷ 12700×10000 =
51139÷200÷127=51139/25200
  
なので 年 2匹 と推計できます。
  
こちらの数であれば 体感に合います。

         
     

ウナギと日本人: “白いダイヤ”のむかしと今

ウナギと日本人: “白いダイヤ”のむかしと今

  • 作者: 筒井 功
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2014/06/13
  • メディア: 単行本


ニホンウナギ、太平洋クロマグロへの規制見送り [検討]

今年9月に、3年ぶりに南アフリカで開催される ワシントン条約締約国会議での、太平洋クロマグロ と ニホンウナギ への規制が見送られることになったということだそうです(日本経済新聞2016年5月2日「ニホンウナギ貿易規制は見送り  ワシントン条約締約国会議」、2016年5月29日わかりやすい時事解説「ウナギ、クロマグロの規制案が見送られた理由 編集委員 志田富雄」)。

とは言うものの、太平洋クロマグロにせよ、ニホンウナギにせよ、資源が激減しているわけなので 近い将来、規制が加えられるであろうことは間違いないものと予想されます。

それぞれの水産資源の現状ですが、まずクロマグロについてですが、水産庁が今年1月に公表している 「かつお・まぐろ類に関する国際情勢について」が大変わかりやすく現状を説明してくれています。

それを要約すると、 

・ 日本国内における 2014年の まぐろとかつおの供給量は 66.7万トンで、そのうち、クロマグロの供給量は 4.24万トン(7頁)。  

・ クロマグロの供給量4.24 万トンのうち、輸入は 1.65万トン、国内生産量は 2.59万トン。また、国内生産量2.59万トンのうち、1.47万トンは養殖となっていて、国内漁獲量 0.98万トンよりも多くなっている(9頁)。  

ということになります(下図は「かつお・まぐろの国際情勢について」9頁をまるまる引用したものとなります)。

希少なクロマグロでは 養殖に力が入れられていて、 規制されても、養殖による代替が期待できそうな感想を持ちました。

 クロマグロ供給量.jpg

次は、ニホンウナギの方の現状についてです。

同じく水産庁が、「 ウナギをめぐる状況と対策について」という資料を今月公表しています。それにはいろいろな説明がされていますが、「ワシントン条約締結国会合で規制が決まっても、ウナギを食べることはできるのだろうか」という不安を打ち消すような内容とはなっていません。

 

養殖が決め手となりそうで、平成22年に シラスウナギの完全養殖に成功したということではあるそうですが、今もって、実証試験中の段階だということで、クロマグロのような成果は出ていないようです。

 

THE PAGEの今年3月9日の「ウナギ完全養殖の実験成功から6年、いまだ市場に出回らない理由とは」によると、

ウナギの場合、卵から稚魚に育つまでに半年ないし1年半もかかるそうです。それだけでなく、従来技術があまり応用できないため、新たに独自の養殖技術を確立していく必要があるそうで、そのため多大な時間を要している

ということだそうで、完全養殖まで 途半ば のようです。

 

現状のままだと、ウナギの蒲焼の方が、食べられなくなってしまう おそれが大きいようです。