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江戸の貧民 [読書]

「雲右衛門事件」と言えば、民法の不法行為法の教科書に必ず 出てくる裁判例ですが、「雲右衛門事件」の「雲右衛門」とは 桃中軒雲右衛門  のこと。

雲右衛門の曾孫、岡本和明氏が著した 雲右衛門の伝記 「俺の喉は一声千両」では、
   
雲右衛門が明治初年に 東京の貧民窟(下谷万年町、四谷鮫ケ橋、芝新網町、新宿南町)の一つであった 芝新網町の出であったことが しつこく触れられていました。
   
「貧民窟とは どんなところであったのか」、怖いもの見たさなのか貧民窟に関心が湧きました。そこで読むことなく放置していた 塩見鮮一郎氏著「貧民の帝都」 に手をつけました。
    
私が 何も知らず、東京の四大貧民窟があった場所を 通り抜けていたことを知って、驚くとともに、酷い貧民の生活状況に悲しくなりました。江戸期における貧民のことを知りたくなり、江戸に遡り、 「江戸の貧民」 の方も読みました。
      
「江戸の貧民」では、   
江戸期における 穢多、非人が、種々のお役を命ぜられていた反面、特権が与えられていたこと、幕府の統治機構の末端に連なる存在であったが、それが明治となり 特権が剥奪されて ちりじりになってしまったということ、貧民(制度)が貧民のセーフティーネットの役割を果たしていたことが述べられており、
 
新たな知見を得ることができ、理解も深まったのではないかと思います。
     
江戸時代は、決して 否定されるべき暗黒の時代ではありませんでした。
          
    
「江戸の貧民」のアマゾンの書評は2つしかありませんが、読書メーターの書評の方は49あり、それなりに好評を博しているようです。
   
  
 
 

江戸の貧民 (文春新書)

江戸の貧民 (文春新書)

  • 作者: 塩見 鮮一郎
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2014/08/20
  • メディア: 単行本


貧民の帝都 (文春新書)

貧民の帝都 (文春新書)

  • 作者: 塩見 鮮一郎
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2008/09
  • メディア: 新書

 

「タレント」の時代 [読書]

酒井崇男著 「『タレント』の時代」を読み終えました。

 

エリック・ブリニョルフソル著「機械との競争」では、弁護士の業務であろうと、テクノロジーの進展により雇用が奪われるであろうと示唆されていましたが、

 

こちら「タレント〜」では  士業の労働はアウトソースが進み、賃金は下がっていくであろうとの、やはりうれしくない将来が指し示されています。

 

 

 

「タレント〜」ですが、副題にも書かれていますように、企業の人材戦略をテーマとした本で、

 

「富の源泉は、製造業に限らず、サービス業においても、設計情報と、設計情報を造り出すノウハウにこそある。

 

新しいものをつくりだす 非定型的知識労働(創造的知識労働)にこそ高い賃金が支払われるべきで、そのような人材を育成していかなければならない」

   
ということを説得的に論じたものです。
    
           
「 タレント 〜」は、 士業の知識労働について正面から分析するものではありません。
  
富を生む 非定型的知識労働(創造的知識労働)の労働の特質を明らかにするため、その対比で 士業が提供する定型的知識労働(すでに分かっていることを理解して判断・処理する転写型知識労働。) について触れているだけです。

触れられていることを要約すれば、
    
士業が提供する転写型知識労働は、創造的知識労働とは違い、経済的付加価値を生み出すわけではないので、賃金相場も年収400~600万円であろう。
  
転写型知識労働の賃金は、高止まっているので、将来的には アウトソースが進み、 コスト削減やリストラの対象となっていくであろう

 

となります。

 

簡単な法律相談ならネットで調べられるという現実からすると、

テクノロジーによる自動化(=デジタル化)が、それだけで価値を持っていたはずの、「専門知識の提供」というスキルを陳腐化した(ないし陳腐化している過程にある)こと 

は間違いないところなのでしょう。

 

 
「タレント」の時代 世界で勝ち続ける企業の人材戦略論 (講談社現代新書)

「タレント」の時代 世界で勝ち続ける企業の人材戦略論 (講談社現代新書)

  • 作者: 酒井 崇男
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2015/02/19
  • メディア: 新書


機械との競争

機械との競争

  • 作者: エリック・ブリニョルフソン
  • 出版社/メーカー: 日経BP社
  • 発売日: 2013/02/07
  • メディア: 単行本


ストライキは年間二桁しかないんだ [読書]

古川琢也氏著「ブラック企業完全対策マニュアル」(晋遊舎新書)を読んでいたところ、

ストライキ等の争議件数を題材にしたコラムが載っていました(同書134~136頁)。

コラムの内容は、厚労省公表の「平成23年労働争議統計調査の概要」に解説を加えたものとなっています。

この統計が採り始められたのは1957年(昭32年)ということで、

1974年(昭49年)の 9581 件 がピーク、

以後、件数は減少し続け、直近の1911年(平23年)では 57件 に過ぎなかったということです。

ストライキ(やサボタージュ等の争議行為)の件数が、これほどまで ガタ減りしているとは全く知りませんでした。

参考になりました。

争議行為を伴う争議の件数.jpg

 (上表は「附表  総争議、争議行為を伴う争議、半日以上の同盟罷業、半日未満の同盟罷業の件数の推移」のデータから「争議行為を伴う争議」の件数の推移を作表したもの。) 

2 争議行為を伴う争議の状況」には、57件の「争議行為を伴う争議」の参加人数が 8,604 人 とされていますので、

争議行為の規模も 大々的なものではなく、こじんまりしたものであったことになるようです。

古川琢也氏は、「セブン-イレブンの正体」という 大変すばらしいルポを書かれているので、今回の「ブラック企業完全対策マニュアル」にも期待をしていたのですが、

残念ながら、今野晴貴氏の「ブラック企業  日本を食いつぶす妖怪」の二番煎じの内容でした。

  

ブラック企業完全対策マニュアル (晋遊舎新書 S15)

ブラック企業完全対策マニュアル (晋遊舎新書 S15)

  • 作者: 古川 琢也
  • 出版社/メーカー: 晋遊舎
  • 発売日: 2013/05/27
  • メディア: 新書


セブン‐イレブンの正体

セブン‐イレブンの正体

  • 作者: 古川 琢也
  • 出版社/メーカー: 金曜日
  • 発売日: 2008/12
  • メディア: 単行本

ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪 (文春新書)

ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪 (文春新書)

  • 作者: 今野 晴貴
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2012/11/19
  • メディア: 単行本


嘘吐き [読書]

文書の前後から、「嘘吐き」と書いて、

「うそつき」

と読むのかなということは何となく分かりました。

恥ずかしいことですが、実は、全く知りませんでした。

私は、「嘘つき」の「つき」に漢字を当てるのなら、

「付き」って漢字を当てるんだろうなというレベルでした。

「吐き」が正解ですが、意外な感じがします。

皆さんは、「嘘吐き」、ご存じでしたでしょうか。

  

時事通信社出身の室谷克実氏著の「悪韓論」の中には、

この単語が、これでもか、これでもか、というほど出てきます。

本には、「本当なの?」と、結構、驚きのお隣の国の事情が詳細に書かれています。

前著は過去に触れたものでしたが、今度は今現在のことです。

論述されている内容には、全て、朝鮮日報、中央日報等の新聞記事を引用して、その論拠を示されています。

  

ですので、書かれている内容は、大げさに誇張されているのかもしれませんが、

データの裏付けもあるようですので、

嘘ではなく、多分、本当のことなのでしょう。

  

  

それなりに勉強になりました。

本書のことを、「(私を含めた一般の人が、) 日頃、見聞きする機会がないデータを、

コンパクトにまとめたデータ集」と考えて見れば、

類書はないようですので、大変参考になるだけでなく、貴重ではないかと思います。

悪韓論 (新潮新書)

悪韓論 (新潮新書)

  • 作者: 室谷 克実
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2013/04/17
  • メディア: 単行本



無人島に生きる十六人 [読書]

無人島に生きる十六人」という本がおもしろいと聞いたので、

グーグルで検索してみました。

無人島に生きる十六人.jpg 

一番上に表示された

Amazon.co.jp: 無人島に生きる十六人 (新潮文庫): 須川 邦彦: 本

をクリックして本の内容の品定めです。 

アマゾンのカスタマーレビュー欄の評価者は 53人、星は 4.6 。 

カスタマーレビューを読んでも、ほとんどベタ褒めです。

間違いなさそうなので、早速、注文をしようと思って、初めて気付きました。

新潮文庫の文庫本 なんですね。

      

新潮文庫の活字のサイズは

9.25ポイント

ということですが(「ほぼ日刊イトイ新聞」の「新潮文庫編集部のM」著「新潮文庫のささやかな秘密」の記事中の「第五回 読みやすさにもワザがあります。」参照)。

視力が低下してきた私には 行間が狭い、文庫本は、心情的に、ちょっと辛い感じがするんですよね。

そんなわけで、単行本が出ていないか調べてみましたが、

出ていないようです。

この「無人島に生きる十六人」。パブリック・ドメイン ということで、

無料のキンドル版が出ていることが分かりました。

  

この機会に、キンドルで、画面の ピンチアウト をしてみようと思います。

無人島に生きる十六人 (新潮文庫)

無人島に生きる十六人 (新潮文庫)

  • 作者: 須川 邦彦
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2003/06/28
  • メディア: 文庫

無人島に生きる十六人

無人島に生きる十六人

  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2012/09/13
  • メディア: Kindle版



  


工学部ヒラノ教授の事件ファイル [読書]

オペレーションズ・リサーチを専門とされる東工大名誉教授今野浩先生の「工学部ヒラノ教授の事件ファイル」を読み終えました。

昨今、不正論文が172本とされる東邦大学准教授の論文捏造京大教授の研究費横領 、あるいは、「媚びない人生」というベストセラー本の著者であるジョンキム慶応大学准教授の経歴詐称など、

耳目を引く、「大学発」の事件が、続けざまに起きている感があるところです。

それ以外にも、報道されることに至ることはめったにありませんが、アカハラ(アカデミックハラスメンイト)という大学特有の問題も存在します。

「工学部ヒラノ教授の事件ファイル」は、これら大学内で発生する問題について、問題が発生する背景ないし理由を、実例を交えて包み隠すことなく解説しています。

そのため、これらの問題を深く理解する上で、大変参考となるのではないかと思います。

工学部ヒラノ教授の事件ファイル

工学部ヒラノ教授の事件ファイル

  • 作者: 今野 浩
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2012/06/18
  • メディア: 単行本



ウナギの不思議  [読書]

ウナギ(ニホンウナギ)は淡水魚だと思っている人が多いと思いますが、ウナギはグアム島の西側沖のマリアナ海嶺まで数千キロを回遊し、産卵をしていることをご存じでしたでしょうか。

ニホン ウナギの産卵場は平成21年(2009年)5月の調査で、天然卵と親ウナギが発見されて、産卵場所が世界で初めて特定されたというホットな話題です。

今日は、 「ウナギ 大回遊の謎」という本のお薦めです。

「ウナギ 大回遊の謎」 は、親ウナギが太平洋の大海原で産卵する瞬間を追い求めた、東京大学大気海洋研究所の塚本勝巳教授のウナギの産卵場調査の冒険の記録ですが、読みごたえ十分です。

ウナギ 大回遊の謎 (PHPサイエンス・ワールド新書)

ウナギ 大回遊の謎 (PHPサイエンス・ワールド新書)

  • 作者: 塚本 勝巳
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2012/06/16
  • メディア: 新書



 私のお知り合いの社長さんに、ウナギの卸業を秋山さんという方がおみえです。

そのため、何となくウナギのことが会話にのぼることが、ままあり、ウナギのことが昨年ころから何となく気になってきました。

昨年は、たまたま本屋で見つけた、熱帯ウナギの「ラビアータ」種を捕獲するためにアフリカのタンザニアに出かけた、「塚本研」の二人の研究者の珍道中を描いた「アフリカにょろり旅」という単行本を読んで、ワハハ、ワハハとお茶を濁していましたが、

今回、御本尊である塚本先生の「ウナギ 大回遊の謎」を読むことができました。

大満足です。

アフリカにょろり旅 (講談社文庫)

アフリカにょろり旅 (講談社文庫)

  • 作者: 青山 潤
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/01/15
  • メディア: 文庫

次は、 アマゾンの書評で、ベタ褒めされている「旅するウナギ- 1億年の時空をこえて」でも読んでみようかしらん。

 でも、3990円はちょっと高いんだよなぁ。

旅するウナギ―1億年の時空をこえて

旅するウナギ―1億年の時空をこえて

  • 作者: 黒木 真理
  • 出版社/メーカー: 東海大学出版会
  • 発売日: 2011/08
  • メディア: 大型本



オリンパスの闇と闘い続けて [読書]

上司の不正を内部通報した報復として、度重なる配転とパワハラの制裁を受けていた、オリンパスの浜田正晴さんが書いた「オリンパスの闇と闘い続けて」(光文社、4月18日発売)を読みましたが、会社の子どもじみた、いじめの酷さに、読んでいて心底、腹が立ちました。


オリンパスの闇と闘い続けて浜田さんに露骨なパワハラをしていた上司は、会社の業務命令でやっているという意識でいじめをしているので、悪いことをしているという意識は、もしかしたなら、これっぽっちもないかもしれません。

これが組織の怖いところです。

自分が浜田さんと同じような目にあわされたら、浜田さんのように5年も我慢などできないでしょう。

浜田さんにしろ、30年耐えてきたトナミ運輸の串岡さんにしろ、本当にすごい忍耐力だなと思います。

でも、浜田さんも、串岡さんも、会社の横暴に対し何も反抗しなかったために、会社の対応が徐々にエスカレートしていったという面があるのではないかとも思いました。

なぜ、早い段階で、弁護士なりに相談し、手を打たれなかったのかと思いました。

もし、最初の配転の際に、浜田さんが代理人の弁護士を立て、配転に異議を述べられていたのであれば、オリンパスは浜田さんに対し、露骨な嫌がらせ(配転や上司によるパワハラ)は抑制させたのではないでしょうか。

2度目の配転も、また、3度目の配転も、それに、上司による浜田さんへのパワハラも、それ以降、起きることはなかったのではなかと思います。

浜田さんとしては「そのうち会社も自分のことを理解してくれる」という会社への信頼の気持ちを持ち続けてみえたが故に、会社のJ横暴に耐えてみえたのでしょうが、悲しいですね。 

浜田さんは裁判の経過をブログに書いてみえます。裁判の経緯についてご関心のある方は浜田さんのブログを見て下さい(「オリンパス現役社員のブログ『公益通報者が守られる社会を!ネットワーク』)。

 


『勾留百二十日』 [読書]


勾留百二十日  特捜部長はなぜ逮捕されたか 元・大阪地検特捜部長大坪弘道氏著の『勾留百二十日  特捜部長はなぜ逮捕されたか』を読んだ。

大坪氏は、大阪地検特捜部副部長であった佐賀元明氏とともに、犯人隠避罪で起訴された人物。新聞報道によると、同事件では、今月15日に検事による懲役1年6月の求刑、今日(21日)、明日(22日)に弁護人の最終弁論がなされ、来年3月に判決言しが予定されているということだ。

 大坪元特捜部長と佐賀元特捜副部長は、いずれも犯罪の成立を争っているわけですが…。

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幻冬舎ルネッサンス新書 [読書]

                     デジタルデータは消えない (幻冬舎ルネッサンス新書 さ 2-1)
 最近、本屋で、左のデザインの幻冬舎新書をよく見かけませんか?

幻冬舎新書は橙色 の 表紙をしてますが、こちらは抹茶色と言うか、もえぎ色と言うか、←の色をした表紙をした新書サイズの本です。(色については、私の能力では表現しがたいので、色の名前一覧(http://www.hm.h555.net/~irom/g_about/color_02b.htm)でご確認ください。)

この幻冬舎ルネッサンス新書が、幻冬舎新書とは何が違うかご存じですか?

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