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見比べてみると、警察官の懲戒処分の記事は いずれも 1 月 27日 (1) [困惑]

春の選抜高校野球ですっかり忘れていたことを思い出しました。
   
それは、2ヶ月前の 平成29年(2017年) 1月26日 の朝日デジタルの記事のことで、
   
夏の全国高校野球選手権大会で、優勝校を当てる賭け行為をしたとして、大阪府警が泉大津署の警察官 16人を本部長注意などの処分にしていたことが情報公開請求でわかった
 
という内容のものです(朝日新聞DIGITAL2017年1月26日「高校野球賭博や三代目JSBチケ転売… 警官16人処分」)。
   
    
泉大津署の20~30代の地域課、留置管理課などに所属する署員が2011年、12年、15年に、「賭け金を3千円以上にすると 賭博の罪に問われる」と示し合せて、1人 2 千円ずつ賭け金を出して高校野球賭博をしていたことが、2015年(平成27年)11月頃発覚し、賭けに関与した9人と非常勤職員を賭博容疑で書類送検した 
   
と記事には書かれているのですが、
 
「賭博をしたとして書類送された 9人と非常勤職員」というのが、リードにあった「野球賭博をした件で本部長注意を受けた16人の警察官」と同じ人達のことを指しているのか、
 
本部長注意は受けたが 送検されていない警察官もいると言っているのか、分かりませんでした。
     
   
引っ掛かっていたため、暇なときにでも確認して見ようと思っていたのですが、忘却の彼方にありました。
     
 
朝日の記事には「朝日新聞の情報公開請求でわかった」と書いてあり、独自取材のスクープ記事であることを窺わせていましたので、他紙の後追いがなければ 他紙の記事は期待できないかも、と思いならがも新聞雑誌記事横断検索を使い、調査してみました。
   
検索期間を「20170126~」、検索キーワードを「大阪府警 」「賭博」として検索してみたところ、24件の記事がヒットしました(下図は検索結果画面のハードコピーの一部)。 
 
 新聞雑誌記事横断検索結果.jpg
 
 
    
朝日だけでなく、読売も、毎日も、産経も 同じ日に 同じような記事があるではないですか。
     
 
時事通信の配信時間が 2017/1/26-19:58 となっている「警察署で野球賭博= 所員16人注意処分- 大阪府警」という記事が 現時点でも無料で読めるのが分かったので、記事の内容を確認してみますと、
 
泉大津署の職員16人が平成28年(2016年)2月17日付で注意処分を受け、16人のうち8人が単純賭博容疑で書類送検されたがいずれも起訴猶予処分となったことが1月26日に府警への取材で分かった
 
という内容で、情報公開請求した朝日の記事よりも 秀逸です。
   
ただ、朝日の記事では、書類送検されたのは「9人と非常勤職員」で、10人以上が書類送検されたことになりますが、
   
時事の方は「16人のうち 8人が単純賭博容疑で書類送検された」ということで、8人送検されたことになり、送検された数が二つの記事では合っていません。
   
   
情報公開請求と大阪府警への取材のどちらが正しいのでしょう。
   
   


大阪手形交換所の手形交換額がなぜか急増 [豆知識]

手形の利用状況を久しぶりに確認をしましたが、相変わらず低調のようです。

 下図は 全銀協の「平成27年度版 決済統計年報」の「1.手形交換高」図表1を引用したものですが 微減傾向にあることが分かります。

 手形交換高推移.jpg

手形に変わるものとして鳴り物入りで登場した、 

でんさい の方の普及状況についても調べてみましたが、これっぽっちなのという状況のようです。

下図は、前記の「平成27年度 決済統計年報」の「5. でんさいネット請求等取扱高」の表から

でんさいネットでの発生記録請求、譲渡記録請求、分割記録請求の件数と金額を抜き出し、

手形交換高(全国)と対比可能なように、単位を揃えたものとなります。

デンサイ.jpg

でんさいネットの発生記録請求の件数と金額は、

平成25年   13万5千件   1兆0495億円   

平成26年   62万3千件   4兆7612億円 

平成27年  108万1千件  7兆9994御円

ということになるようです。

片や、全手形交換所における手形交換高の方は、

平成25年  7305万1千枚  366兆4450億円

平成26年  6886万4千万  332兆6554億円 

平成27年  6419万枚   299兆0323億円

という状況です。

でんさいが手形に代わって浸透しているなどと、とても言えない現状にあるようです。 

 

東京商工リサーチが、ホームページ中の2017年2月22日付の「2016年『手形・でんさい』動向調査」と題した記事の中で、2016年(平成28年)までの 手形 と でんさい の利用動向をコンパクトに整理した記事を掲載しています。

記事は2016年(平成28年)までの動向を踏まえたものでしたが、2015年までの状況と変わるところはありませんでしたが、驚くようなことが、事も無げに さらりと書かれていました。

それは、

「2016年の手形交換額は、大阪手形交換所の大幅増で5年ぶりに減少に歯止めがかかった。だか、大阪分を除くと全国で減少をたどっており、趨勢としてはこれまでの流れに変化はない。」

との箇所で、テキストだけで 大阪のデータも数字も載ってません。

大阪手形交換所の手形交換額の大幅増で、全国の手形交換額の減少に歯止めがかかるなんて、そんなこと本当なのでしょうか。

大阪銀行協会のホームページの「大阪手形交換所統計」をクリックすると、大阪手形交換所と全国の手形交換所の平成24年から平成28年までの年次の手形交換高と、平成25年12月から平成29年1月までの月次の手形交換高を整理している「大阪・全国手形交換所統計」が出てきました。 

「大阪・全国手形交換所統計」をざっと見てみると、確かに、平成28年3月以降、大阪手形交換所における手形交換高の金額が 数倍増になっていることがすぐ確認できます。

平成28年2月の4兆0503億円が、3月には 14兆2399億円、4月には20兆5404億円 といった具合にです。

この大阪手形交換所における手形交換高は、全国の手形交換所における手形交換高の5割を占めていそうです。

ですが、手形交換高の枚数は余り増えているようではないようです。

「大阪・全国手形交換所統計」の月次の大阪手形交換所の手形交換高の枚数と金額と、全国の枚数と金額のデータを使い、大阪手形交換所の手形交換高が全国の何%を占めることになっているかを、枚数ベースと金額ベースで出してみました。

下表がそれとなりますが、平成28年3月以降も枚数ベースでは、全国の15%程度と変わらないのに、金額ベースでは50%超となっています。 

手形1枚当り金額がいくらとなっているかを、本記事の末尾に(参考)として載せておきましたが、

大阪手形交換所では、平成28年2月まで 手形金額が1枚3~400万円だったのが、3月以降は 2000万円超というようなことになっています。全国平均でも 4~600万円なので、大阪が異常に高いということが分かります。

 大阪手形交換所対全国 手形割引高比率.jpg

 

驚くようなことになっているのですが、新聞雑誌記事横断検索を使って、キーワードを「大阪手形交換所」として検索をしてはたのですが、記事の検索結果は 0件でした。 

大阪手形交換所で起きていることが 報じられいないことにも驚きましたが、どういう理由で手形交換高が急増しているのでしょうかね。    

 

(参考) 

   大阪手形交換所データ.jpg


東京地裁の勾留却下率は いつの間にか 8 % 超 [検討]

平成26年6月15日のブログで、

さいたま地裁の勾留却下率が急上昇していて、却下率が10%超 になっている

と報じた朝日新聞デジタルの記事を取り上げました。 

続報もなく 記事も1年半ほどで 跡形もなく消えてしまったので、椿事が突発的に起きたのだろうと思っていたところ、昨年(2016年)10月31日の産経WESTの記事「勾留請求却下率低い大阪  弁護士『いまだに人質司法』、検察『請求厳選した結果』」を見つけ、読んでみて 驚きました。

記事は、大阪地裁の勾留却下率が全国平均以下だという どうというものでも内容のものでしたが、記事に添えられた グラフの内容がすごい。

下のグラフがそれで、平成17年(2005年)から平成27年(2015年)までの11年間における、 東京、大阪、名古屋、福岡、仙台 の地裁(簡裁?)での勾留却下率をグラフ化したものです。

 

グラフは、   

東京での勾留請求の却下率は 平成17年(2005年)以降、全国平均の ほぼ倍 を常に保っている。

平成17年の1.5% が 平成22年には 4%に達し、平成24年には6%、それが 平成27年には 約 8.5% になっていること 

を示してます。 

 「勾留請求却下率低い大阪」 産経WEST20161031.jpeg

 

東京では そんなことになっていることを全く知りませんでした。 

司法統計年報では  全地裁、全簡裁の 勾留の発付数、却下数の統計しか掲載されていないため、各地の状況は分かりません(司法統計年報刑事編 平成27年「第15表 令状事件の結果区分及び令状の種類別既済人数-全裁判所及び全口頭・地方・簡易裁判所」参照)。

記事のグラフには「※ 最高裁の資料を基に作成」と書かれていますが、資料とは内部資料なのでしょうか。

グラフには「勾留請求の却下率(地裁・簡裁)」との標題が付けられていますが、勾留却下率について (地裁・簡裁)っていうのは どういうことを表しているのでしょう。

勾留却下率については、前掲の平成27年の司法統計年報を使って、全地裁での勾留却下率と、全簡裁での勾留却下率を計算が可能です。

勾留却下率は、 勾留状の却下の件数 ÷ (勾留状の発付(請求によるもの)の件数+却下の件数)×100 と計算できるので、地裁と簡裁 の勾留却下率を算出して見ると、

全地裁   6.27 % (≒2,838件÷(42,441件+2,838件))

全簡裁   1.49 % (≒1,051件÷(69,547件+1,051件))

全地裁・全簡裁合計

          3.36 % (≒(2,838件+1,051件)÷((42,441件+2,838件)+(69,547件+1,051件)) 

ということになります。簡裁の勾留却下率を勘案すると、勾留却下率は下がってしまうことが分かります。

なので、簡裁での勾留却下率を勘案していることを示す、「勾留請求の却下率(地裁・簡裁)」の標記をグラフにしている産経WEST の記事が信用できるものであるかについて疑問が生じてしまいました。 

 

関連したデータがないかグーグル検察したところ、少し古いですが、毎日新聞の2015年12月14日の 「東京地裁 : 痴漢で勾留、原則認めず 『解雇のおそれ』考慮」という記事を見つけました。 

記事では、次の具体的なデータが掲載されていました。 

2005年の東京地裁の勾留請求の却下は 389 件 (却下率1・5%)で、全国の却下件数の 5 割強を占めていた。14年には 約 3倍の 1171件 (7・8%)に増加したが、全国に占める割合は 4 割弱に低下しており、却下の動きが地方にも広がっているとみられる。

 

記事は、東京地裁における勾留却下率が 2005年(平成17年)は 1.5 %、2014年(平成26年)は 7.8 % ということなので、 産経WESTのグラフの「東京」の折れ線に、それらの数値をプロットしてみまと、矛盾はありません。 

産経WESTが 東京地裁の勾留却下率を示しているのだと善解してあげれば、記事が間違いとまでは言えません。

グラフの標題を (地裁) とすべきところ、(地裁・簡裁) と間違えちゃったということなのでしょう。 

 

話は変わりますが、東京地裁では痴漢は勾留しない 運用にした なんてのもすごいですね。

こんなことになっているなんて 皆さんご存じでしたか。