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8地裁における平成27年の破産事件新受件数 [報告]

金融法務事情No.20388(2016年3月25日号)に、特集「平成27年の破産事件概況」として、
   
札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、高松、福岡
  
の高裁所在地の8つの地裁における平成27年の破産事件の運用状況が掲載されていました。
   
下表が、8つの地裁における平成27年の破産事件の新受件数と、前年(平成26年)対比の新受件数の増減率を整理したものです。
 
8地裁の平成27年破産新受件数と増減率.jpg 
 
平成27年では、仙台と高松の2つの地裁で大幅増となっていますが、8地裁の合計の新受件数は24,931件で、前年(平成26年)の27,192件から 2,261件(約 8.3%減)ということになっています。 
 
   
     
平成26年の破産新受件数 の全国の総数は、73,368件でしたが、それから8.3%減だとすると
 
平成27年は67,300件 ほどということになりそうです (2015年6月8日のブログ「平成26年の破産新受件数」参照) 。
   
どこまで減少していくのでしょう。
     
 

記事が消えた [速報]

ロイターが午後1時頃に流した、

「一部の信託銀行、4月半ばから金銭信託にマイナス金利適用=関係筋」

という記事が、2時間ほどして 削除されてしまいました。

(下は、ロイターのホームページのお知らせの該当個所を引用したもの。)

 お知らせ:重複記事を削除します   ロイター.jpeg

 

午後4時46分現在、ロイターのトップページ には、

「金銭信託にマイナス金利適用」  

一部の金銭信託銀行が4月半ばから、資産運用会社や年金基金などが短期資金運用で使用する金銭信託にマイナス金利を適用することが分かった。複数の関係筋が明らかにした。 

との記事の見出しが掲載されていますが、この記事部分をクリックしても、記事本文は出てきません。

上で引用した、 

Bussiness /2016年3月30日 14:29 JST

お知らせ:重複記事を削除します 

、「一部の信託銀行  4月半ばから金銭信託にマイナス金利適用=関係筋」という記事は重複のため削除します。

(佐野日出之  浦中大我  伊賀大記  編集: 田巻一彦) 

にリンクされているだけです。     

 

記事に差し障りがある方面からの圧力によってのことなのでしょうが、これが日本なのかとの危機感を持ちました。

 


裁判所への予納金の電子納付 [報告]

名古屋地裁でも、予納郵便切手に代わり、現金納付が、数年前から一部、可能となっていたようですが、先日、初めてそのことに気付きました(名古屋地裁のHP「予納郵便切手一覧表(平成26年3月3日)」)。

 

名古屋地裁のホームページでは電子納付について何も書いてありませんが、裁判所のホームページの「保管金電子納付のための登録・照会システム」には、

 保管金の電子納付について

・保管金を電子納付することができる裁判所

・「保管金電子納付のための登録・照会システムを利用できる裁判所」と同じです。

と、また、同ページの 保管金電子納付のための登録・照会システム利用案内  の箇所には、

・ 保管金電子納付のための登録・照会システムを利用できる裁判所

                    ・すべての裁判所

と書いてありますので、結局、保管金の電子納付はどの裁判所でも可ということのようです。

 

名古屋地裁でも 保管金の電子納付ができるはずですが、何の案内のないので どこに尋ねればよいか迷いました。 

東京地裁のホームページの「保管金の電子納付について」という PDF を見てみると、問い合わせ先として「東京地方裁判所事務局出納課第二課保管金係」と書いてありますので、名古屋地裁本庁であれば 1階にある会計で聞けば分かるはずと当たりをつけ、電話して聞いてみました。

「電子納付利用者登録申請書」を出してもらえば使えるという返事でしたので、申請書を貰ってきてもらいました。

下の「電子納付利用者登録申請書」が貰ってきたものですが、提出者情報と、還付先情報として還付してもらう先の金融機関情報を書いて出せばよいので、登録申請は簡単にできます。

 電子納付利用者登録申請書.jpg

 そのうち試してみようと思います。


残業月80時間以上の事業場へ立ち入り調査の基準を拡大 [検討]

政府は、長時間労働に歯止めをかけるために、1カ月の残業が100時間に達した場合に行う労働基準監督署の立ち入り調査の基準を月80時間に引き下げる方向だということです(日本経済新聞2016年3月24日「残業80時間で立ち入り調査  対象、300万人に拡大」)。
   
現状において、1カ月80時間以上の残業をしている常勤労働者は約300万人いて、労働基準監督署がこれまで立ち入り調査の調査対象としていた、100時間超の常勤労働者約110万人から、対象者が190万人増え、
 
調査対象事業場についても(記事では100時間超の事業場数が書いてないため分かりませんが、) 20万超 になるといういことです。 
   
 
労働基準監督署の定期的な立ち入り調査は、記事にあるように、平成26年(2014年)で12万9881件でした。
 
厚生労働白書で、労働基準監督官の定期監督件数を確認してみたところ、最近は年間10~14万件ほどです(平成27年版厚生労働白書 資料編4 労働条件労使関係」)。
   
  
どうやって残業次回月80時間の事業場 20万超の立ち入り検査を こなすのだろうかと一瞬、疑問が生じましたが、それは大間違いでした。
   
記事には、
    
「実際は労基署の監督官の数が限られるため従業員による通報などを通じて悪質な企業を把握し、重点調査する」 
 
と ちゃんと書いてあります。
   
年度内に全事業場の立ち入り調査をするというわけでなく、残業時間月80時間の、20万超ある事業場のうち、重点調査先となる事業場への調査を行うということです。
 
現時点での労働基準監督官の人数の下でも調査は十分可能です。
   
網の目の粗さをどうするかという問題はあるのでしょうが。

        
    

厚労省が2010年7月1日の省内事業仕分けにおいて「労働基準監督業務」を仕分け対象とした際に提出している「労働基準監督業務について《事務・事業説明資料》という資料の中に、「監督策定の具体例(A局B署)」」と題したポンチ図(下図はそれの引用)が載っています。
 
労働基準監督の計画策定を説明した資料ということになりますが、この図から、、
 
労働基準監督署に所属する労働基準監督官の総業務量を、定期監督を含む各業務ごとに業務量を割り付ける。
   
定期監督分の監督件数については、考慮すべき事情を勘案して、重点対象ごとに件数を設定していく。、
 
というようにして計画が策定されることが理解できます。 
 
 
 監督計画の策定の具体例.jpeg
 
 
残業時間月80時間以上の事業場の定期監督であれば、 
 
管内の残業時間80時間以上の事業場のうち、「従業員による通報があった事業所  〇〇件」というよに、立ち入り検査をする定期監督の件数についての計画を立て、その計画に基づいて調査を実施していく
  
ということになるわけですね。
     
 

第三者委員会報告書 と 私的鑑定意見書 [報告]

旧村上ファンドの 村上世彰氏が依頼した、

「村上世彰氏らに対する相場操縦嫌疑事件に係る第三者委員会」が、

調査・検証報告書 

を証券取引等監視委員会に先週、提出したということだそうです(テレ朝news2016年3月25日「村上元代表『罪にあたらない』第三者委員会が報告」、ロイター同日「村上ファンドのTSI株相場操縦罪、成立しない可能性濃厚=第三者委員会」)。

テレ朝newsによれば、第三者委員会がまとめた調査・検証報告書には、

「告発するためには村上氏が市場の厚生を害したと評価できるような事情が必要」、

「事実認定上も法的観点からも相場操縦の罪にはあたらない」

ということが書かれていることになるようです。

 

今回の嫌疑は、TSIホールディングス株の空売りによる相場操縦です(日本経済新聞2015年11月26日「村上元代表を強制捜査  アパレル株の株価操縦の疑い」)。

投資会社「(株)C&I ホールディングス の代表者である村上氏の長女も事情聴取されているということでしたので、

「村上氏に対する相場操縦嫌疑事件」 

という表現がされているのでしょう。

 

村上氏は今回の件を受けて、強制捜査の翌週になる、昨年(2015年)12月4日には、

Yoshiaki Murakami Official Site / 村上世彰オフィシャルサイト

を開設。C&Iホールディングも、同社ホームページ上で 村上氏のオフィシャルサイトを紹介し、村上氏に協力をしていました。 

 

村上氏が、第三者委員会の設置を依頼していたことは、これまで一切報じられていませんでした。

村上氏のオフィシャルサイトは、村上氏の見解を述べる場として村上氏が設けたもののはずですが、TSI株の空売りが株価操縦に該当しないと判定してくれた、「村上世彰氏らの株価操縦嫌疑事件に係る第三者委員会」が作成した 調査・検証報告書はアップされていません。

 

また、第三者委員長の委員長は宗像紀夫弁護士であることは以外は、誰が委員なのかすら明らかにされていません(テレ朝newsに映っているのは弘中弁護士のようではありますが、何も公表されていません。)。

どんな中身の報告書なのかも皆目わかりません。

 

裏も取らないで ネタ元の指示に従った記事が、今回の記事ではないでしょうか。


国民生活基礎調査と労働力調査における「非正規の職員・従業員」 [豆知識]

厚労省は、国民の健康、医療、福祉、年金など国民生活の基礎的 な事項に関し、1886年(昭和61年)から 国民生活基礎調査 という調査を実施しています(「平成26年 国民生活基礎調査の概況参照)。

この国民生活基礎調査の「用語の説明」では、「正規の職員・従業員」「非正規の職員・従業員」について次の説明をしています。

                                        記 

9. 「正規の職員・従業員」及び「非正規の職員・従業員」は、次の次の勤め先での呼称の分類による。

(1)  正規の職員・従業員とは、一般職員又は正社員などと呼ばれている者をいう。

(2)  非正規の職員・従業員とは、以下の呼称で呼ばれている者をいう。

ア  パート、アルバイト 

就業の時間や日数に関係なく、勤め先で「パートタイマー」、「アルバイト」又はそれに近い名称で呼ばれている者をいう。

「パート」か「アルバイト」かはっきりしない場合は、募集広告や募集要領又は雇用契約の際に言われたり、示された呼称による。

イ  労働者派遣事業所の派遣社員

労働者派遣法に基づく労働者派遣事業所に雇用され、それから派遣されて働いている者をいう。この法令に該当しないものは、形態が似たものであっても「労働者派遣事業者の派遣社員」とはしない。

ウ  契約社員

専門的職種に従事させることを目的に契約に基づき雇用されている者又は雇用期間の定めのある者をいう。

エ  嘱託

労働条件や契約期間に関係なく、勤め先で「嘱託職員」又はそれに近い名称で呼ばれている者をいう。

オ  その他

上記ア~エ以外のものをいう。(以下略) 


非正規の職員・従業員を、 「パート」、「アルバイト」、「労働者派遣事業所の派遣社員」、「契約社員」、「嘱託」と分ける基準が こんなんだなんて ご存じでしたでしょうか。 
     
「派遣社員」と「契約社員」については、「派遣社員」が「労働者派遣法に基づいて労働者派遣事務所に雇用されて、働いている者」、「契約社員」が「専門的職種に従事させることを目的に契約に基づき雇用されている者又は雇用期間の定めのある者」という定義に基づいて分類されています。
          
ですが、「パート」、「アルバイト」、「嘱託」については、『呼称』がどうかによって分類されることになるそうです。結構、いい加減ですね。
     
      
   
ところで、先月29日のブログ(「マクドナルドのアルバイト」)で引用した、厚労省の「正社員転換・待遇改善に向けた取組」のページの「非正規雇用」の現状と課題」[283KB](同資料1頁目の【正規雇用と非正規雇用労働者の推移】は下に引用)という資料では、
非正規労働者を 「パート」、「アルバイト」、「派遣社員」、「契約社員」、「嘱託」、「その他」の6つに分類しています。
 
脚注をみてみると、
    
5)非正規雇用労働者:勤め先での呼称が「パート」「アルバイト」「労働者派遣事業所の派遣社員」「契約社員」「嘱託」「その他」である者。
     
との説明がされています。
           
こちらは総務省統計局の 労働力調査 をベースにした整理がされているようですので、「労働力調査 用語の解説」を見てみると、
 
<雇用形態>
     
会社、団体等の役員を除く雇用者について,勤め先での呼称により,「正規の職員・従業員」,「パ-ト」,「アルバイト」,「労働者派遣事業所の派遣社員」,「契約社員」,「嘱託」,「その他」の7つに区分した。
    
なお,「正規の職員・従業員」以外の6区分をまとめて「非正規の職員・従業員」として表章している。
 

と解説されています。勤め先での呼称による分類

 

労働力調査では、「労働者派遣事業者の派遣社員」も、「契約社員」も、(国民生活基礎調査の場合とは違い、) 勤務先での呼称による分類であるかのような解説がされていますが、

国民生活基礎調査と、「労働者派遣事業者の派遣社員」と「契約社員」については定義が違うのも変な話なので、

解説の方が正しくないのではないでしょうか?

 

正規雇用と非正規雇用労働者の推移.jpg 

地裁ごとの 民事訴訟事件(第一審)の予納郵便切手の額 [調査]

各地方裁判所が 民事訴訟事件(第一審)の予納郵便切手の金額 をいくらに設定しているのか、

裁判所のホームページの「各地の裁判所」のページを使って調べてみました。

訴訟提起時の予納郵便切手代が、名古屋地裁では 6,740円なのですが、それが東京地裁では 6,000円、大阪地裁では 5,000円と、1,000円、2,000円と違っています。ほかの地裁は実際、どうなっているのだろうかという素朴な疑問がその動機です。

 

下表がそのまとめです。

郵便切手により予納された場合についての整理となりますが、N/A とあるのは「該当なし」、つまり、ホームページ上で、予納郵便切手の金額等が公表されていないことを表しています。

 

電話で問い合わせくださいということなのでしょうが、地裁の半分以上が 予納郵便切手の金額すら ホームページで公表をしていないことには驚きです。 

 

地裁HPにおける予納郵券の記載.jpg 

 

なお、見落としによる間違いもあろうかと思いますが、間違っている箇所があることにお気付きになられ方は ご指摘のほどよろしくお願いします。 


有価証券報告書における 臨時従業員の記載 [報告]

上場企業うち、パートやアルバイト、派遣で働いている非正規社員の人数が多い会社のランキングが東洋経済オンラインに掲載されていました(東洋経済ONLINE2016年2月22日、田中久貴記者の記事「これが最新! これが『非正社員の多い』トップ500社」)。

先月29日のブログで、「クルー」と呼んでいるアルバイトが約14万人もいる マクドナル を話題にしていましたので、同社が何位にランキングされるのかを確認してみました。

当然 上位にランキングされているはずなのですが、名前がちっとも見つかりません。

やっとのこと第51位に、「日本マクドナルドホールディングス」の名前を見つけましたが、

非正社員(臨時従業員)数(人)    13,790

とのデータが示されています。

13,790人と言えば、「クルー」約14万人の十分の一です。記事に間違いがあるのではないかと思いました。 

 

記事は有価証券報告書から数字を拾っているということですので、EDINET で、日本マクドナルドホールディングスの、閲覧可能な直近の有価証券報告書の内容を確認してみました。

第44期(平成26年1月1日-平成26年12月31日)のがそれになりますが、第一部【企業情報】第1【企業の概況】5【従業員の状況】を見てみると、確かに、

脚注 1 に、

臨時雇用者数(パートタイマー、人材派遣会社からの派遣社員)は( )内に年間の平均人員と外数で記載しております。

と注記され、  ( 13,790 ) という数字が書かれています(下図は該当個所を引用したもの)。

 

会社が、パートや派遣の臨時雇用者数は 13,790人と申告しているわけですから、記事の誤りではないことが確認できました。    

  従業員の状況.jpg

 

会社は「クルー」約13万人と言いながら、なぜ、このようなことが起きているのでしょう。

少しだけ古いですが、私の手元にある 公益財団法人財務会計基準機構 編「有価証券報告書の作成要領(平成25年3月期提出用) 」に目を通りしてみると、「従業員の状況」の「作成にあたってのポイント」という囲みの箇所には、

「③ 従業員の定義、臨時従業員の範囲等に関する基準が明定されていませんのて、各社の実態に応じて記載することになります。その場合には、従業員数の算定方法等に関する内容を脚注において記載することが適当と考えられます。」 (19頁)

と書いてあります。

「自社基準で、書いよい」というのがその理由のようです。

 

この日本マクドナルドホールディングスの例から明らかですが、有価証券報告書の「従業員の状況」に書かれた臨時従業員数は、確たる基準に基づいて算定されているわけでないので、書かれている人数が正しいものであるかは 眉唾かもしれないと疑って掛かっておいた方がよいのかもしれません。

ということは、それは有価証券報告書に書かれている「従業員の状況」の臨時従業員数のデータを使って書かれている記事の内容についても同じことになるのかもしれません。


循環取引で 5名が無罪 [感想]

先週17日、電通子会社の電通ワークスに発光ダイオード(LED)の架空取引を持ち掛け、購入代金計約56億円をだまし取ったとして、詐欺罪に問われたLED開発会社ワールド・ワイド・エンジニアリング(WWE)という会社の元実質的経営者津田悦資氏ら 5人の被告人に対し、東京地裁が全員無罪の判決を言い渡したということです(日本経済新聞2016年3年37日「架空取引事件で5人全員に無罪判決  東京地裁、56億円詐欺否定」)。
     
    
無罪判決というのも珍しいのですが、検察官が作成した津田被告の供述調書について、裁判長が、 
 

「不合理な内容で到底信用できず、検察官が思い込みに基づいて不適切な誘導を行った可能性すら疑わせる」

と批判をしているということだそうです。

 

検察庁が また 無理筋の独自捜査 をやったのかと思ったのですが、そうではありませんでした。

現代ビジネスの記事 伊藤博敏「ニュースの真相」2013年12月21日かくして電通子会社はLED照明で詐欺にあった  警視庁組対4課はその『闇』を照らせるか」を読んでみると、警視庁 組織対策部 組織犯罪対策第四課が捜査を進めたということがわかります。

 

被告人らの 員面調書を、東京地検刑事部の検事が無理くり 、辻褄を合わせた 検面調書 に作り上げたにもかかわらず、

「検察官が思い込みに基づいて不適切な誘導を行った可能性すら疑わせる」

などと、苦労の甲斐なく言われてしまったことになるようです。

詐欺罪の調書作成は やはり 難度が高い。

 

「週刊0510」というブログの 2016年3月24日配信「LED詐欺事件で『全員無罪判決 !』は、電通と"握った"警察の大失態 !」<事件> では、

そもそもの話、電通ワークスを被害者とした事件の組み立てが無理筋だった、との見解が述べられています。

 調理方法以前に 材料が悪すぎだったのかも知れません。


即決裁判手続、最盛時の1割近くに [報告]

即決裁判手続とは、明白軽微な罪で起訴された被告人が有罪を認めれば、起訴から14日以内に公判期日が開催され、開催された期日に審理を終え、即日判決が言い渡される刑事手続のことで、平成16年(2004年)の刑事訴訟法改正で導入され、平成18年10月2日から施行されている手続のことを言います(コトバンクの解説参照)。 

この即決裁判手続ですが、手続を選択するかは 検察官 が決めることになります。

 

産経ニュースの記事(2016年3月21日「『即決裁判手続き』 昨年最小  制度10年で最盛期の1割近くに」) によりますと、この即決裁判手続ですが、 

刑が軽い事件を迅速に処理し法曹三者の負担を軽減するために導入したが、関係者からは「負担はそれほど増えておらず、必要性は薄れた」「反省を深める機会が減り、被告にマイナスの制度」との指摘が出ている。

(中略) 

 即決裁判を導入した狙いは、裁判員裁判実施に伴う裁判官、検察官、弁護士の法曹三者の負担軽減にあった。法曹界では21年から開始した裁判員裁判で法曹三者の業務が過大になると予想。初犯は有罪でも執行猶予が付くことの多い薬物事件や不法滞在などの入管法違反事件などを迅速に処理することで、業務に余裕を持たせることを狙った。

ということが制度を導入した狙いだったということになるそうです。

「法曹三者の負担を軽減する」制度ということになるようです。

 

私は、てっきり、刑事施設の過剰収容問題対策の一環なんだろうと誤解していました。                  

(刑事施設における過剰収容状況については、「平成16年版 犯罪白書」「第3章 成人矯正の動向と課題」 「第1節 過剰収容の深刻化-過剰収容とはどういうことか」「1過剰収容の現状」以下を参照ください。)

 

犯罪白書には刑事施設の収容人数が載っていますが、「平成27年度版 犯罪白書」には下に引用したグラフが掲載されています。

昭和20年(1945年)から平成26年(2014年)までの69年間の推移です。

刑事訴訟法が改正された平成16年(2004年)は、未決拘禁者も急増中でしたが、平成18年の8万人をピークに、減少が続いていて平成26年(2014年)は6万人程度になっていること、平成13年(2000年)頃と 同水準になっていることがわかります。 

 過剰収容が緩和されたので、事件処理を急ぐ必要が薄れ、即決裁判手続の件数も減少したというわけではないのですね。

 

 刑事施設の年末収容人員(昭和21~平成26年).jpeg